• facebook
  • twitter

COLUMN

コラム

2018.10.25

インタビュー

日本に住む外国人に本音を直撃!~外国人座談会~

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本に住んでいる外国人に、日本の住まいの良いところや嫌なところ、自国との違いなどについて語ってもらった。彼らは日本の住まいのどんなところに魅力を感じ、また不満を抱えているのか。今回は東京を拠点に活動しているウェブ制作会社「ハンブルバニー(東京都千代田区)」で働くアメリカ人とイギリス人の3人に話を聞いた。

ネイト(35)
アメリカ・インディアナ州出身
来日:2007年7月
川崎市在住
3LDK(賃貸マンション)
ネイト、妻(日本人)、娘2人

ケイロン(29)
アメリカ・フロリダ州出身
来日:2014年1月
江東区在住
1LDK(賃貸マンション)
独身・ルームシェアをしている

トビー(26)
イギリス・コーンウォール州出身
来日:2013年1月
渋谷区在住
1LDK(賃貸マンション)
独身・ルームシェアをしている

 

 ――みなさんは来日してから何年も経っているので、日本での生活にはすっかり慣れていることと思いますが、日本の住まいの良いところはどんなところだと思いますか。

ネイト:日本の賃貸住宅は、入居の度にリフォームされて、共有部に不具合が出てもいつのまにか修理されているし、管理がしっかりしていると思う。きれいな家に帰れると思うと気分がいいよね。

ケイロン:敷金や礼金といった家賃以外にも何かと費用のかかるアパートがある一方で、シェアハウスのように敷金・礼金なしで気軽に住める場所がたくさんあるところかな。アメリカでは友達同士で広い家を借りてシェアをすることはあるけど、日本のように知らない人同士が一つ屋根の下で暮らすシェアハウスはあまり見かけないよ。

トビー:日本では東京の中心部でもお手頃価格で住める物件が見つけられることかな。イギリスのほうが日本より家賃が高いから、ロンドンに住んでいる兄は高額な家賃を払っているけど、それでも中心部から電車で40分もかかる。

 ――では逆に日本の家で嫌だと思うことを教えてください。

ケイロン:部屋が狭いこと。特にトイレが狭すぎて座ったら膝がぶつかるほどの狭さだよ。あと、トイレとお風呂は分かれていることが多いみたいだけど、アメリカのように一緒になっているほうがいいな。

ネイト:狭いのもそうだけど、ドアの高さが低いからいつもぶつかりそうになるんだ。前に住んでいた家は1970年代に建てられた物件で、自分の身長より5㎝もドアの高さが低かったから、通る時にいつもかがまないといけなくて大変だった。もうひとつは、壁が薄いこと。トイレの横に部屋があるんだけど、そこにいるとトイレの音が丸聞こえでね。これには参ったよ。

 ――小柄な日本人には問題ないですが、身長の高い方々にとっては少々住みづらいですね。それから音漏れに関して、日本は木造建築が主流なので、何かしらの防音対策をしないと解決は難しそうですね。ちなみに、イギリスでは木造ではなくレンガ造りの家が多いイメージがありますが、防音性には違いがあるのでしょうか。

トビー:僕も日本の住宅の防音性の低さには驚いている。イギリスでは、家はレンガやコンクリートで造られていて、部屋の間の壁でさえ同じ素材で仕切られているから防音はしっかりしているんだ。だから友達を自分の家に呼んで音楽を流しながら歌っても、音漏れは気にせず楽しめるよ。だけど日本では、夜に洗濯機を回す時はもちろんのこと、部屋の中を歩くときでさえ、大きな音をたてないように気をつけているよ。それと、日本は地震が多いから、それが不安の種。だから、部屋探しをする時は新耐震の建物か必ず確認している。旧耐震の家には絶対住みたくないから。

 ――日本の家ではお馴染みの畳。アメリカやイギリスでは馴染みがないと思いますが、畳は好きですか、嫌いですか。

トビー:飲み物をこぼした時とかすぐ浸み込んじゃうし、手入れが大変そうだから苦手かも。畳以外にも日本特有のふとんや障子もそうだよね。ふとんだって定期的に手入れしないとカビると聞いたし、障子は破けやすい。繊細なものは手間がかかるから避けたいな。

ケイロン:僕も同感。

 

ネイト:賃貸だったらあってもなくてもどちらでもいいけど、もし家を買うなら畳のある家は買わないかな。

 

日本ならではの畳は思いのほか不評だった。手入れの手間がかかるから敬遠されてしまうのは少々残念なことだ。

 ――外国人は部屋探しで苦労すると聞きますが、家はどのように探しましたか。

トビー:スーモを使ったよ。選んだ物件をプリントアウトして、不動産会社に持って行っているよ。ただ、話を始める前に僕の風貌を見て日本語の話せない外国人が来たという感じで身構えられることがあったり、外国人だからという理由で入居を拒否されたりすることが何度かあって、ちょっとイラっとしたことがある。

ケイロン:僕は不動産会社に行った時、お店の人に外国人の入居を拒否するオーナーがいるかもしれないと説明されたんだ。だけど、僕が選んだ物件はラッキーなことに全部大丈夫だった。それから、来日したての頃は当時の勤務先が家を見つけてくれたよ。あと、「クレイグリスト」と呼ばれる家探しや、仕事探しで使えるアメリカ発の生活総合掲示板を使って部屋を見つけたこともあるよ。部屋の募集は英語で投稿されているから使い勝手はいいんだ。

ネイト:僕も最初に住んだ家は勤務先が見つけてくれて、それ以降に住んだ物件は不動産会社に直接行って探したよ。僕は日本語もわかるから、店員さんが英語を話さなくても特に問題はなかったよ。

 ――日本政府はインバウンドを増やすために躍起になっている一方で、そこに住む私たちの中には、外国人というだけで偏見を持ち差別的な扱いをしてしまう人がいるというのは残念なことです。気を取り直して次の質問に移りたいと思います。日本に来て驚いたことはありますか。

ネイト:引っ越しする時、すごく費用がすごくかかるのに、ほとんどの人が業者に依頼していること。アメリカにも引っ越し会社はあるけど、自分たちでトラックを借りて荷物を運ぶ人が多いんだ。そのほうが安上がりだからね。

ケイロン:日本は家を借りるのにルールが細かいし、すごく神経質だと思った。床に少しでも傷がついただけで、退去する時に敷金から修理代を引かれちゃうなんて信じられないよ。アメリカでは、少しくらい傷がついても何も言われないし、オーナーも気にしてないよ。それにフローリングにはカーペットが敷かれていることが多いから傷がつきにくいっていうのもある。あと、愛車のマウンテンバイクを部屋の中に置きたかったんだけど、自転車は外に停めなくちゃいけないと言われたこともあった。

トビー:家賃以外にも隠れたコストがかかることに驚いた。敷金は理解できるけど、その他に不動産会社への仲介手数料、オーナーへ払う鍵交換代、クリーニング代、それから連帯保証人がいなかったら家賃保証会社にもお金がかかるし、払うものが多すぎる。イギリスでは敷金は必要でその中に鍵交換やクリーニング代も含まれているよ。仲介料はある場合とない場合がある。
連帯保証人は必要ない代わりに、敷金以外に1~2か月分の家賃を前払いするのが一般的だよ。ちなみに日本のような家賃保証会社はイギリスにはないよ。

 ――日本ではDIY がブームになっていますが、DIYはアメリカやイギリスではどうですか。

ネイト:アメリカでDIYは一般的だよね。オーナーが部屋の壁をペンキで塗り替えることはよくあることだし、できることは自分たちでやるっていう文化があるよね。

ケイロン:そうだね、大なり小なりみんなやっているんじゃないかな。うちは実家のキッチンを自分たちで付け替えたことがあるよ。大がかりな作業で大変だったけど。

トビー:イギリスにいた時は、少なくとも自分の周りでやったという人はいなかったし、自分でもしたことがないよ。ほとんどの賃貸住宅ではDIYを禁止しているんじゃないかな。ただ、部屋じゃなくて家具を自分で作ったって話はちらほら耳にするよ。

<取材協力>
ハンブルバニー(東京都千代田区)
ウェブデザインとデジタルマーケティングを得意としているウェブ制作会社

異文化で生まれ育った人々からすると、日本式の住まいは、窮屈に感じたり自国の家とは勝手が違ったりして、不便だと感じることもあるだろう。昨今は訪日観光客が増えているだけではなく、日本に住む外国人も右肩上がりで増えている。法務省の調べによると、2017年末時点の在留外国人数は256万1,848人となり,前年比で17万9,026人(7.5%)増え、過去最高を記録した。

そして賃貸経営は、今後は彼らを無視することきなくなるだろう。彼らの意見に耳を傾け、誰もが快適に過ごせる賃貸住宅が増えていくことが、業界全体にとってもプラスになってくるのではないだろうか。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

このエントリーをはてなブックマークに追加
ページトップへ戻る