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COLUMN

コラム

2018.08.02

不動産会社向け

アプリの活用で家づくりの現場に変化

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細かい要望はイメージの共有で解決

「お部屋の模様替え」や、「同窓会に来ていく服装」といった日常のふとしたシーンで、アイデアがほしいときに便利なのが「ピンタレスト」だ。自分のお気に入りの画像を保存したり、投稿したりできるアメリカ発の画像共有サービスである。ピンタレストの名前の由来は、ピン(留める・固定する)+ インタレスト(興味)だ。興味のあることを専用のボードに留めるように集められることからピンタレストとなった。

不動産業界に、ピンタレストを活用して、業務効率の向上につなげている企業がある。物件の仲介から住宅設計・リノベーションなどをトータルに手掛ける不動産会社style&deco(東京都渋谷区)だ。

代表取締役の谷島香奈子さんは、「ピンタレストを使い始めてから、以前と同じ時間で顧客への提案内容の質を上げることができるようになりました」と話す。同社で請け負うリノベーションは、顧客ごとに異なる完全オリジナル設計で、ドアノブのパーツなど細部に至るまで自由にリクエストできるのが特徴だ。そのため、顧客とのイメージのすり合わせが重要になってくる。しかし、顧客がプランナーに希望のイメージを言葉で伝えるのは容易ではなく、プランナーにとっても、漠然としたイメージを具体化するのは簡単ではない。「ナチュラル系」といっても、木目を活かしたスタイルなのか、白を基調とした明るい色で統一されたスタイルなのかなど、ナチュラルの基準は人によって異なるからだ。

以前、顧客からの聞き取り内容を元にリノベーションの提案資料を作ったものの、イメージと違うと言われてしまうことがあったそうだ。これは、打ち合わせの時にイメージの共有がしっかりできていなかった証拠。しかし、ピンタレストを活用するようになってからは、希望のイメージ画像や意見を打ち合わせ以外でも共有し合えるようになった。具体的には、ピンタレスト上に「リビングの収納はこんな感じのものがいい」、「同じナチュラル系でもこういう造りの水回りは嫌」というコメントつきで、画像が投稿されていく。それを元に、プランナーの疑問もコメントのやり取りを通して解決できるようになった。結果的にプランナーは、より深堀りしたリノベーション案を提案することができるようになったという。リフォームの設計期間は約4~6カ月で、平均8回ほどの打ち合わせを経たのち工事が始まる。

施行事例のアピールに

ピンタレストを活用するようになったきっかけは、自社でリノベーションした物件の写真が大量に眠っていたため、これらを有効活用できる方法はないかと探していたところ、SNSなどの活用法を指南してくれるアドバイザーに、ピンタレストへの画像投稿をすすめられたことだった。インスタグラムやフェイスブックにも画像などを投稿しているが、ピンタレスト経由で、自社のホームページにアクセスするユーザーが最も多い。業務効率だけではなく、施行事例のアピールにもなっている。

ピンタレストを本格的に業務に取り入れたのは、今年1月に理想の住まいをイメージで探すイベントをピンタレストと共同で開催してからだ。イベントは、リノベーションを検討している人を対象に行った。内容は、理想の内装イメージをピンタレスト内で共有し、それらを元にプランナーが施行費用などを参加者に伝え相談に応じるというものだ。参加者は、30代の夫婦や独身の男女15名で、マイホームの購入を検討している世代だった。そして、うち1件が成約に至ったという。

幅広い世代から支持

ピンタレストには、約2億人のユーザーがおり、約1千億枚の画像がアップされ、20~50代までの幅広い世代のユーザーに利用されている。ピンタレスト・ジャパン株式会社(東京都目黒区)の小串良輔さんによると、レシピやインテリア、ファッションのカテゴリーが人気だという。

登録時に、インテリアデザインやフードといった自分の興味のある分野を選択すると、ボードと呼ばれる場所に、他のユーザーが投稿した画像がずらりと表示されるようになる。気に入った画像はボードに保存し、自分だけの画像コレクションを作ることができる仕組みとなっている。検索して保存するだけではなく、自分で画像をアップすることもできる。

小串さんは「答えではなく何かヒントがほしい時に使ってみてください。例えば、この秋は何を着ようかなといった正解のない疑問を解消する時に使うと、自分が気づいていなものを発見できます」とアドバイスする。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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