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COLUMN

コラム

2018.10.11

♯市場・トレンド

働き方の変化がもたらした副業という選択肢

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副業できる企業はごく一部

雑誌などでも度々特集として取り上げられている「副業」。ここ最近はテレワークと共に話題にのぼることが増えた。しかし、一般的に副業は就業規則で禁止しているという会社も多いだろう。

では、副業を容認している企業はどのくらいあるのだろうか。中小企業庁委託事業 「平成26年度兼業・副業に係る取組実態調査事業」によると、圧倒的に副業・兼業を認めていない企業のほうが多く、85.3%に上った。推進していないが容認している企業は14.7%に留る。

自由な分だけシビアになる

そもそも副業とは、一般的に本業以外に何らかの収入を得ている仕事のことである。最近は、給与アップが見込めないといった経済的な事情により、副業に期待を寄せる人は増え、注目が高まりつつある。

そんな副業を創業時から推奨している会社がある。不動産会社やオーナー向けのシステムを提供するダイヤモンドメディア株式会社(東京都港区)だ。35人いるスタッフのうち、10人ほどが副業もしくは兼業をしており、その職種は、プロダンサー、カメラマン、ライター、エンジニア(他社の仕事)など多岐に渡る。中にはお金を稼ぐことが目的というより、趣味の一環として行っているスタッフもいるという。

そして、この副業ができる環境を支えているのが、オフィスに出勤せず自宅やカフェなど、好きなところで仕事ができるテレワークと呼ばれる勤務形態だ。基本的には、定期ミーティングなどの集まりを除き、オフィスに出社しなくてもいいことになっている。そのため、自分の裁量で本業と副業を掛け持ちしながら仕事ができるというわけだ。

ではなぜこのような制度を創業時から取り入れていたのだろうか。きっかけは「奇跡の経営/リカルド・セムラー著」 という1冊の本にあるという。本に書かれていたのは、上下関係がなく誰もが対等な立場で仕事をするという従来の経営・マネジメントの概念を覆す著者の経営手法だった。これに共感して以来、自社でも同様の経営方法をしたいと思うようになったと武井さんは説明する。

ダイヤモンドメディアでは、スタッフに役職をつけていないため、上司と部下という概念はなく、全員がフラットな関係性だ。よって、「指示をする」「指示を待つ」ということはせず、自ら考えて自主的に仕事を進めていくことが求められている。新入社員にこのような仕事の仕方を理解してもらうのには時間がかかることもあるというが、裏を返せば誰でも自由に提案ができる土壌があり、新しいものが生まれやすい環境になる、と同社代表取締役社長の武井浩三さんは説明する。

給料はみんなで決める

そして、驚くことに給料は年2回行われるスタッフ全員の話し合いで決まるという。評価は3段階にわけて行われる。まず1番目は、アンケートを配布し、各々に全員分の評価をしてもらうという。チームが違うからといってお互いの担当業務が把握できていないということがないよう事前に情報共有をしている。しかし、一緒に仕事をしたことがないメンバーについて、全てを把握するのは困難なため、その時は知っている範囲内で評価することになる。続いて2番目は、それらのアンケートを元に、同じチーム内のメンバーで話し合いを行い評価をする。そして最後は、チームをまたいだ同じ職種同士で話し合いを行い、これらの結果を元に給料が決まる。

一緒に仕事をしている人がお互いに評価し合うことで、株価のように相場で額が決まるという。ちなみに、給与は何時間でいくらではなく、仕事そのものに対して払われているため、早く終わらせることができれば、その分副業など自分の時間に充てることも可能だという。武井さんは「自由な分、実力主義なところがあるので、非常に筋肉質な会社だと思います」と胸を張る。一見すると、働きやすいように見えるが、その反面とてもシビアな環境であるともいえる。

ダイヤモンドメディアのような経営手法を実践する企業は少数派ではある。しかし、人間の生活が時代とともに変化していくように企業の経営手法も常に変化していると読むこともできる。

ひと昔前までは、「仕事はオフィスでやるもの」だったし、「オフィスに行かなくてはできない」仕事も多かった。しかし、ITの普及により、インターネットにさえつながっていれば、社内システムにアクセスでき、さらにメールやテレビ電話などを通して、どこにいても意思疎通ができる時代となった。つまり、場所を選ばずに自分の裁量で仕事ができるようになったことで、副業もやりやすい時代になってきたという見方もできる。

ランサーズの発表した「フリーランス実態調査2017」によると、副業系すきまワーカーの平均収入は60万円だという。60万円といえば、ボーナス相当またはそれ以上の金額である。

最後に私たちはどれくらいの時間を労働に費やしているかご存知だろうか。20歳から60歳まで週休2日で1日10時間働いたと過程すると、人生の約14%ほどを労働に費やし、これは睡眠の割合33%よりも少ないということになる。この割合が多いか少ないかは意見がわかれるところだが、仕事が私たちの人生に与える影響は絶大で、仕事が人生を作りあげているといっても過言ではない。どのように働いてどのような人生を送りたいのか、働き方が問われている。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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