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2018.12.27

♯物流

物流救世主 進化する宅配ロッカー

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クリスマスから年末年始にかけ、贈答品の荷物量は通常時よりさらに増える。ただでさえ労務問題が深刻な宅配業界だが、この時期のドライバーさんを見かけると思わず声を慰労の言葉をかけたくなるほどだ。

そんな中、宅配ロッカーを世界で初めて作った専業メーカーのフルタイムシステム(東京都千代田区)と関西電力、日本ネットワークサポートの3社はユニークな取り組みをスタートさせた。それは、全国初の「電柱吊宅配ロッカーサービス」で、電柱に宅配ロッカーを設置するというもの。2018年11月1日から2019年3月15日まで試行し、利用状況や事業性の評価し、サービスの事業化を検討していく考えだ。

3社以外にも京都府精華町、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便が協力する。

電柱は、①「どこにでもある」②「電源がある」③「位置(経度・緯度)情報がある」という宅配ロッカー設置に有効な3つの特性がある。特に③は、配達場所を明確にするのに役立つ。

 一般的に、マンションのエントラスに設置されることの多い宅配ロッカーだが、場所によってはスペースが限られることから設置を断念せざるを得ないケースもある。また、電源をどのように確保するかといった課題もあったが、電柱に設置することでこれらの課題がいっぺんに解決でき、さらには再配達問題にも繋がる。

設置場所となったのは、京都府精華町内の3カ所のマンション近く。該当するマンションの入居者が会員登録を行い利用するという仕組みだ。不在時であっても配送会社がロッカーへ入庫し、利用者には、着荷情報がメールで通知される。解錠は、暗証番号または交通系ICカードで行う。

設置場所の要件としては、

①賃貸住宅内に設置スペースがない。
②賃貸住宅敷地内、付近に電柱がある。
③宅配ロッカーの設置が通行などの支障にならない など。

関西電力が主宰となり、企画、運営する。フルタイムシステムは、宅配ロッカーの提供、保守、運営を行う。

電柱吊宅配ロッカーは、宙に浮かせる方法を採用されており、防滴仕様の商品を使用している。これは、地面に直接置いてしまうと、雨水や犬の尿などによる水や汚れの影響が大きいためだという。電柱に宅配ロッカーを設置する専用支持具は、日本ネットワークサポートが製造した製品で、水平レベル調整機能がついており、宅配ロッカーを水平に保つようになっているという。

こうした取り組みによって、今まで宅配ロッカーを設置できなかったアパートやマンションへの普及が進めば、再配達も減り、宅配ドライバーの人手不足問題やCO2排出問題の解決に繋がるはずである。

(Hello News編集部)

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