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COLUMN

コラム

2019.01.17

市場・トレンド

この繁忙期が山場!賃料アップ最後のチャンス

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今年10月1日から、消費税が10%になるのは周知の事実だが、その前に賃貸オーナーが心得ておくことべきことは何か考えてみる。

賃貸住宅の家賃は「非課税」だ。10万円の家賃は、10万8,000円にはならない。しかし、3%の消費税が導入された平成元年は、課税対象であり、例えば5万円の家賃であれば、5万1,500円だったということをご存知だろうか。

消費税導入の3年後、平成3年10月に税制が改正され、住宅に関する家賃については非課税になったという経緯がある。

自身オーナーで、「大家さん専門税理士」でもある渡邊浩滋さん(以下、浩滋先生)は、「家賃は生活に直接関係するものであり、国民生活を圧迫することを防ぐという意味合いから、非課税になりました」と説明する。

現在では「家賃には消費税がかからない」というのが当たり前のこととして世間一般に浸透しているが、一部オーナーからはこれに疑問を投げかける声が上がっている。

というのも、賃貸経営を進める上で、リフォーム代、設備交換代、管理委託料、そのほか、家賃収入を得る上で必要な仕入れには消費税を支払っているからだ。この負担を家賃に転嫁できないばかりか、今年10月以降、消費税が10%に上がるとなれば、実質の手残りが減ることになる。このため、「仕入れコストがあるわけだから、その分は家賃に転嫁して当然だ」と主張する声が出ているのだ。

浩滋先生は、「オーナーさんたちがこう訴える気持ちはよくわかります」と語りつつも、「課税業者になることで経営がひっ迫するオーナーも出てくるのでは」と懸念する。

というのも、八百屋や魚屋など、個人経営の小さな課税業者で、消費税を支払えず困惑しているケースをなんども目にしてきたからだ。

「競争社会において小さな会社さんほど値下げに走ることも多く、結果的に消費者から預かった消費税を使ってしまい、納税時に支払えなくなった事例は多くあります」(浩滋先生)

また、「非課税」に慣れきっている一般消費者(入居者)たちからの反発も考えられ、家賃を課税対象にすることは容易ではないと説明する。

10月の消費税増税まで残り10カ月。オーナーはただ、黙って見守るしかないのか。

「まず第一に、リフォームや設備投資をする必要があるならば、増税前にやっておいた方がいいでしょう」(浩滋先生)

次に、家賃の増額もできるならば実施した方がいいと話す。逆算すると、この繁忙期の入居者入れ替えのタイミングが家賃アップの最後のチャンスとなる。

しかし、ただ上げると「便乗値上げ」との反発も受けかねないため、浩滋先生は、「下げない努力が大事」と説く。

「日頃のメンテナンス、例えば掃き掃除をしっかりするとか、花壇を作るとか、リフォームまではいかないけれど日常の小さな努力で、不動産会社が決めやすい建物作りはできるはず。そういった家賃を下げない努力も必要です」

実際、家賃同様非課税となる医療費に関しては、日本医師会などが強く反発し、業界が一致団結して「税制改正要望」を出すといった動きもあるという。近年、医師不足や、医療体制整備の整備や環境づくりに対し大きな負担がかかっており、医療環境や経営の厳しさが増しているとした上で、「設備投資減税」や「病院・診療所用建物等の耐用年数の短縮」などを国に訴えているようだ。

「家賃は課税対象にした方がいいのか、それとも非課税のままがいいのか」

これは、当事者であるオーナーがもっと真剣に考えるべきテーマと言えそうだ。

(Hello News編集部 吉松こころ)

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