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2019.04.04

♯二地域居住♯連載

【第1回】6つの“家”を持つ“現代版フーテンの寅”が伝授する「多地域居住ライフ」のススメ

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梅沢励

 日本に2つ、アメリカに4つ、合計6つの拠点を持ち、4台のマイカーを乗りこなして自由な移動を繰り返す“現代版フーテンの寅”こと、梅沢励さん。東京、千葉、マイアミ(フロリダ州)、オーランド(フロリダ州)、ジャクソンビル(フロリダ州)、アトランタ(ジョージア州)を行き来する「多地域居住」の暮らしは、今年で16年目に突入した。5年前、グリーンカード(永住権)を手に入れ、生涯アメリカ居住を宣言。オンラインアパレルショップで生計を立てながら、週末は、アメリカ国内の催事場で日本から運んだ飴玉やグミ、チョコレートを売りさばく自由な暮らしを楽しんでいる。

本連載は、アメリカ人とニッポン人、双方の感覚を併せ持つ寅さんこと励さんが、リアルで痛快な「多地域居住ライフ」を紹介する本邦初の手引書である。

プロローグ

こんな生き方に、多地域居住とか、デュ、デュアラー??そんな名称があったなんて、そっちの方がビックリです。

実家は千葉県市川市だったのですが、今は千葉市若葉区に両親が引っ越したので、日本にいるときはそこに戻っています。東京の八重洲にビルを賃貸していて、アパレルのお店として使っています。アメリカの家4軒はすべて持ち家。

マイアミがメインの拠点で平屋の1軒屋。2000 ft2 = 185.8 m2かな。

オーランド、ジャクソンビル、アトランタはすべてワンベッドルーム800スクエアフット程度800 ft2 = 74.32 m2。多分このくらいが大抵の1ベッドルームの大きさなんじゃないかなって思うんですよ。

家の買い時は文化が決めるのか?

ちなみに、同年代の友人の

アメリカ白人と香港系アメリカ人の2人と、不動産について話をした時のことです。

白人男性は25歳で家を買いました。

「ずいぶん若くして家を買ったんだね?」と聞くと、

「そんなものじゃないの?」だって。

その当時は結婚していなかったというから、決して自宅購入と家族ができたことがセットではないんだなぁ。

そもそも香港人は、家を持ってないと結婚できないそうで、ガールフレンドの両親に挨拶にいくとまず聞かれるのは、「あなたは家を持っていますか?」なんですって。

香港人男性2人と話をしていたんですが、どちらの家庭でも

おばあちゃんから常に言われていたと言っていました。

「早く家を買わないと彼女ができないわよ!」と。

まじで?!?!

日本は、結婚して、アパートに住んで、子供ができて手狭になって、それから夫婦で家をどのあたりに買うか、どんな家を買うか?って決めるもんだけどなぁーと話をしました。

文化によって家の買い方もだいぶ違うんだなと、驚いた次第です。

気がつけば日本とアメリカに家を持っていた

二地域生活をしているつもりはなかったのですが、確かにこれを「二地域生活」と呼ぶのかもしれませんね。

もともとのアイディアは、僕が15年前に銀行員をしていた時にさかのぼります。

プライベートバンキングという職業を勉強していたことがあり、その時に見たのが、パーペチャルトラベラー(永久的旅行者)というアイディア(現在では不公平だという意見もあるみたいですが)。

居住国(どこに住んでいるか)の定義は1年のうちに6カ月以上住んでいる国となるそうです。

そこには住民税がかかるのですが、もし、3カ国に4カ月ずつ住んでいるとしたら、居住している場所がない、日本では住民税を払わなくていい、という事になる、というような本の内容だったと記憶しています。

「実際そんな人はいますか?」

っていうけど、大橋巨泉がそうだって思ったんです。

彼は、オーストラリア、カナダ、日本にお店があって、きっとあちこち回って生活しているんだろうなぁ、そういう想像をしました。

アメリカに来て、日本でオンラインショップを始めると、売上が日本で上がって、そこからアメリカに送金して、それで生活をしていました。

仕入れをドルで行い、売上が円になる。

その円をドルに換えて、また仕入れをする。

そんな事を繰り返していたのですが、送金に時間がかかる。手数料も取られる。

解決策は、日本でも、アメリカでも同じ程度の売り上げがあがって、仕入れができれば送金も為替交換も必要ない・・・なんて思い始めて・・・。

アメリカから荷物を持って、日本に帰る。

日本から荷物をもってアメリカに来る。これだと無駄が無い。

頭の中じゃわかるけど、「それをこなすのはサーカスだ」と友人に言われました。

でもそれを繰り返していくうちに、いつの間にかこのスタイルになった。

それが2重生活というかは別として、たしかに、「日本にも居る」、「アメリカにも居る」という生活になったかもしれません。

日本とアメリカを行ったり来たり、一体全体生活費ってどれくらいかかっているの?

生活費はそれぞれの生活レベルにもよると思うのですが、日本でも、アメリカでも現地人の生活をしています。大多数のみなさんと一緒で、衣食住について言えば、アメリカでは、お店で服を買い、スーパーに行きご飯を買う。外食をする。自宅に住む。

日本では、セレクトショップで服を買い(たまたまそれが自分のお店)、外食をして、両親の実家に帰りごはんを食べる。

余計にかかってるのは、飛行機代程度なものでしょうか?

生活費としては、毎月40万円くらいかな。

ただとにかく高いのが、固定資産税!

自宅は年間8000ドル それぞれのコンドは1500ドルずつくらい。

こんなんだったら、絶対価値は上がってもらわないと困りますよね。

だから「日本は固定資産税が安い!」って思います。

移動費はどれくらい?

移動費は、毎月1度のアメリカ日本の往復飛行機代の平均が、8~9万円です。

航空券は30日に以内に往復するのが安い、「30日FIX」、「14日FIX」って昔よく見た名前ですね。

つまり、「30日以上の期間をかけての往復は、料金が高い」。

そういう業界の仕組みだと思います。一番安いところを狙えばいい、それから、曜日によっても時期によっても上下すると思いますが、できるだけ安いところを選べばよい、僕はサラリーマンではないので、日にちへのシバリはあまりなく、旅程がフレキシブルな分だけ価格も低く抑えられる。さらに僕はこれを荷物運びの商売の一環でやっているので、実際には仕事上の経費(運搬費)でしかなく、生活費が余計にかかっているわけではありません。

日本では実家に帰るだけですので、家賃はありません。アメリカの平均家賃は最近少し高いなと感じていますが、僕は持ち家なので、実際のところは家賃経費もないです。

なぜ日本とアメリカの「二地域居住」を選択したのか?

この形になってしまっただけで、もともとはアメリカにずっと住む予定というか、今でも今後もアメリカに居ながら、色々な地域にでかけるという様に感じています。

短期の旅行は好きではないです。旅行者として扱われたくないから、だから、住みながら旅行するという形を取りたくて、学生の頃の旅行は常に1ヶ月単位でした。

今はアメリカに戻られる拠点をもちながら、ヨーロッパに1ヶ月、南米に1ヶ月というような居住型旅行はしたいと思っています。(いや、するんだ!)

(ライター 梅沢励)

第2回の「多地域居住ライフ」は、5月16日(木)にお届けする。励さんによる市民権を取得する方法や、多地域居住をしていて感じたことなどの話を紹介していく。

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