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2019.06.13

♯ルポタージュ♯講演・セミナー

「ユーミーマンションFC全国大会」2日間密着レポート

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ユーミーマンションFC本部は、6月6〜7日の2日間、「第31回ユーミーマンションFC全国大会in三重」を、都ホテル四日市で開催した。

全国からユーミーマンション に加盟する企業の経営者ら、212名が参加した。

この全国大会は、年に一度全国各地で開催されている恒例行事で、今年で31回目を数える。FC結成2年後の昭和63年から毎年行われており、本部からの事業計画発表や、年間の建築棟数や平米数などから算出されるポイントのランキング表彰、MVP賞、新人賞などが表彰されるビッグイベントだ。

今回、私ささき三枝は、週刊ハローニュースの一員として初参加した。実は入社して初めての出張でもあった。余談だが、出発の朝は高齢の両親がわざわざ駅まで見送りに来てくれた。よほど私が緊張していたとみえる。

「RCの賃貸ブランドとしては日本でもっとも数が多い、6700棟8万3000戸が建設されているという、ユーミーマンション のFCの強さを知りたい!」

喜び勇んで東京駅から新幹線で一路名古屋へ。そこから近鉄線に乗り換え、開催地となる四日市へと向かった。本記事は、建設業界ど素人の私の目線で見た2日間の様子のレポートである。

ささき三枝
広島県広島市出身。本業は、役者・歌手。
22歳で上京。一人暮らしを謳歌してきたが、昨年11月、突如、広島の実家を売り払い、埼玉へ移住してきた父77歳、母75歳と暮らすことに。十数年ぶりの親子3人での生活は苦労の連続。実家ロス、老後問題、介護、相続、親子関係、などなど、次々勃発する問題に頭を悩ます日々。そんな夢破れたアラフォー独身女の日常は、ブログで綴ることでストレスを発散している。

Blog「ささき家のみなさーん、きっと人生これからじゃない?」

開催地加盟社紹介

「お〜いきなり白装束?!」

開始早々、ものすごい気合いと迫力、そして腹の内側まで振動させるような掛け声が響き合った。

舞台左側に立ち、古武道、奈良宝蔵院流高田派槍術を演舞しているのは、今大会のホスト加盟社、船谷建設株式会社(三重県伊勢市)の船谷哲司社長だ。

加盟歴27年。親子2代に渡りユーミーマンションの「YOU&MEの理念」を守り続けているという。

14年前、まだ社長職を引き継ぐ前だったが、船谷社長は、自らの弱い精神を鍛え直そうと、古武道の門をたたいたそうだ。その圧巻の演舞が、この度全加盟社の前で披露された。全国各地からはるばる三重の地まで足を運んでくれた参加者への最大のおもてなしだと私は感じた。

船谷建設株式会社は、明治10年創業、140年の歴史をもつ三重の老舗企業だ。総合建設業を主軸に、賃貸管理業や太陽光発電事業など様々の事業展開する。

ユーミーマンション FCに加盟したのは、平成4年5月7日。以来、通算で248棟のユーミーマンションを建設してきた。賃貸管理は子会社のエクノフで行い、入居率は97.97パーセントを記録するなど、地元に根付いた営業をしている。

「私は、この全国大会が大好きなんです。こうやってみなさんと顔を合わせることが嬉しい。そして何よりここにはたくさんのビジネスチャンスがあります」

壇上に立った船谷社長が、全員に語りかけた。

加盟歴の長い同社からすると、加盟企業同士はまるで家族や兄弟会社のようなものなんだろう。長年にわたり辛苦を共にしてきたんだろうなあと、初めて参加した私でも感じるようなつながりの深さと雰囲気が漂っていた。

見渡すと、若い社長も多い。

弓場社長が、48歳。加盟社の社長には同世代も多いようだ。

「実は、うちの会社は、こんなことをやって利益をあげてるんだよね。最近、こんなことをやり始めたんだよね。それぞれの地域で活動しているわれわれだからこそ、自分たちが悩んでることを包み隠さず話せる場がこの全国大会です。見に行かせて、遊びにきてください、そんな会話がいつでも飛び交っています」(船谷社長)

船谷社長はその昔、第一号加盟社である神奈川の丸山工務所に勤務、仕事のイロハはそこで学んだ。つまりは、ユーミーマンションのFC普及を推し進めた“FC育ての親”、保坂正和代表の薫陶を受けて育っているのだ。

なるほど、フランチャイズというのは、時として親や子のような関係になるんだ。そしてライバルであり仲間なんだな。共通の商品であるユーミーマンションを広めるという活動だけでなく、会社として経営者として、共に成長する人たちの集まりなんだな、と知る。

新規加盟社紹介

昨年度、3社の新たな加盟社が仲間に加わったそうだ。

株式会社高栄ホーム(滋賀県)、株式会社金谷計画(東京都)、株式会社洞口(愛知県)だ。

それぞれの社長が壇上に立ち、挨拶をした。

何かを掴もう、新しい賃貸マンション建設という領域で力をつけたい、そんな意欲が伝わってきた。同時に、3社の入会を歓迎しようという一体感が会場にあふれた。

2018年度 事業報告

「営業は、福の神と思って営業しなさい」

それは、ユーミーコーポレーションの先代社長、故・弓場静昭さんの口癖だったらしい。

約6年ぶりにFC本部に復帰した、ユーミーコーポレーションの取締役FC事業本部長、八反田隆さんが、声を張る。

八反田さんは、FC本部のSV部部長から、熊本支店長となり、熊本地震後の支店を支えた。

SVの皆さんたちによると、「YOU&MEの理念」に対する思い入れはとにかく強く、その信念に報いるためには、誰に対してだろうと歯に衣着せぬ発言をするらしい。まさに、「ミスターユーミー」といっていい存在だ。

冒頭の会長の言葉は、「ユーミーマンションが建つと入居者が喜ぶし、地域も発展する。結果的にオーナーさんも潤う。だからユーミーマンション の営業社員は福の神がきましたよ、という気持ちで営業をしなければならない。たとえ断われても断られても、その気持ちを持って何度でも訪問しよう」という意味だそうだ。

FC本部の取り組み

弓場昭大社長から、本部の活動報告が行われた。

第一に、地域開発部の取り組みである、PPP(Public Private Partnership) とPFI(Private Finance Initiative)事業の概要が語られた。自治体向けの視察ツアーもスタートし、これまでに7自治体が参加したという。国土交通大臣賞表彰も受け、昨今非常に注目されている取り組みだそうだ。

第二に、設備メンテサービスの新商品ということで、アソシエート部の活動として、新商品「リニュー」が報告された。設備の故障に伴う、オーナーの突発的な出費を抑え、同時に管理担当者の業務軽減を目的とし作られた商品だという。

会場にいたカリスマ大家さんこと、菅井敏之さんも、これはいい仕組みだとメモを走らせていた。

第三に、経営企画部が進めている駐車場シェアリングの報告。パーキングシェアリングサービス「BLUU」(Bridging Lifestyles between You and You) という、ソフトバンクと提携した新たなサービスがスタートしている。

ファミリータイプが多いユーミーマンションは、駐車場敷設率が200%が多い。しかし、車離れの昨今、実際には、空いている駐車場も多いのが実態。

そこで、その時々で利用したい人に対し、空いている駐車場を解放しようというのがこのサービス。利用希望者と駐車場はアプリ上でマッチングされる。

すでに栃木県で実証実験がスタートしていて、200箇所の空き駐車場が稼動中だそうだ。

続いて、ユーミーハウスの経過報告について語られた。

「ユーミーハウス、戸建て事業もやっているの?!」と、驚いたが、鉄筋コンクリート造の建売住宅事業がスタートしているらしい。

しかもどうやら当社、ハローニュースもその広報やブランディングの部門で、一枚嚙んでいるという。

「このユーミーハウスプロジェクト最終目標は、加盟社の方々と一緒に提案していくことです。一緒にコーディネートし、施工もしていただく。販売に関しても、どんな反応があって、どういう影響があるのか、良い点、そうではない点をまずは福岡で検証しています。その結果は今後共有していきたいと思います」(弓場社長)

最後に、FC本部視察について語られた。

加盟社がオーナーを引率して、鹿児島を訪れ、築30年を超えたユーミーマンションを見学したり、ユーミーコーポレーション本社を視察するという本部視察は、昨年は100組235名のオーナーが参加した。

なるほど、確かに未来を覗きにいくことはできないけれど、実際に新築から30年経ったマンションであれば見にいくことができる。

鹿児島視察は、30年後の建物の姿や入居状況を確認できるチャンスにもなっているんだ!

これはよほど自信がないとできないことだようなあと、しみじみ。

観光も兼ね、泊りがけでくる視察は、オーナーとの距離をグッと近づけるのに効果的だという。

特別講演

演題『我が野球人生七転び八起き!果報は動いて掴む!』

基調講演の講師は、近鉄バッファローズや中日ドラゴンズで活躍した元プロ野球選手で、野球解説者の金村義明氏。

野球をやめた時、何の仕事もなかったという金村氏が、どん底から這い上がり、一年でフジテレビと契約し、スポーツ報知の解説者になっていった経緯を1時間半、パワフルに熱く語った。

テンポのいい関西弁と、時折挟まれる肝っ玉母さんとのエピソードがとても面白かった。

懇親会

懇親会では、地元の四日市市出身の津軽三味線ロックユニット「KUNI-KEN」の演奏で大いに盛り上がる。

名刺交換をする人、久しぶりの再会に肩をたたき合う人、真面目に仕事の相談をする人、飲む人、食べる人、笑う人、旧知の友が集まった和気あいあいの雰囲気を感じた。

なぜ、ユーミーマンション FCは、こんなに仲間意識がはっきりしているのだろう。

私は、しばし考えた。

初参加だったが、すんなり中に入れてくれた。

みんなが互いの活動を賞賛し合っていた。

そうか、ここにいる人たちには共通言語があるんだ。

それは、「YOU&MEの理念」だ。

同じ理念を持っているから、参加者の心が一つになれるんだと目の前の光景を見ながら確信した。

分科会

日付が変わり、6月7日。全国大会2日目。

この日は午前8時半から、経営者、営業担当者向・技術担当者向け・賃貸管理担当者向け分かれ、3名の講師による分科会が行われた。

参加者の多くは、前日、遅くまで四日市の夜を堪能したと思われるが、分科会では気持ちもパリッと切り替わり、真剣に聞き入る姿があった。

私は、第3分科会(賃貸管理実務者向け)の会場で、一番前の席を確保。砂かぶり状態で、講師である菅井敏之さんの話に聞き入った。

テーマは「これから必要とされる管理会社とは」。管理会社は、“勉強不足のオーナーを教育する”という姿勢を持たないといけないという考え方は、賃貸業界初心者の私にとって目からウロコの内容だった。

表彰式

そしていよいよ、全国大会はクライマックスのイベントへ!

優秀な成績を収めたと社員と加盟社が発表される表彰式へと進んだ。

【個人賞】

2018年度 棟数ランキング(上期)
第1位

船谷建設株式会社

前田隆弘さん

第2位

サンコー開発株式会社

古野智俊さん

第3位

船谷建設株式会社

上田葉八さん

2018年度 棟数ランキング(下期)
第1位

株式会社埼玉丸山工務所

佐藤正孝さん

第2位

株式会社ジェイ・スペース

髙原洋一郎さん

第3位

船谷建設株式会社

上田葉八さん

2018年度 棟数ランキング(年間)
第1位

船谷建設株式会社

上田葉八さん

2018年度 ポイントランキング
第1位

コスモ綜合建設株式会社

小林芳幸さん

【企業賞】

躍進賞 株式会社ジェイ・スペース

目標達成賞 コスモ綜合建設株式会社
株式会社埼玉丸山工務所
船谷建設株式会社
岩成工業株式会社
サンコー開発株式会社
昭和建設工業株式会社
株式会社ジェイ・スペース

特別賞 コスモ綜合建設株式会社
株式会社高栄ホーム

ポイントランキング
第1位 神崎建設工業株式会社
第2位 船谷建設株式会社
第3位 株式会社ジェイ・スペース
第4位 株式会社埼玉丸山工務所
第5位 コスモ綜合建設株式会社
第6位 株式会社裏地工務店
第7位 宮崎建設株式会社
第8位 藤﨑建設工業株式会社
第9位 チューケン株式会社
第10位 新興建設株式会社
第11位 渋沢テクノ建設株式会社
第12位 株式会社栗山建設
第13位 サンコー開発株式会社
第14位 土井建設株式会社

ポイントランキング第一位は、平成14年度より、17年連続で1位を受賞している宮崎県の神崎建設工業株式会社が受賞した。

神崎社長はスピーチで、融資がつかない案件が日を追うごとに多くなり、目標達成できないのではないかという不安がいつもあったことなど、決してこの1年が順風ではなく、社長として初めて直面したといってもいいほどの苦しい局面があったことなどを率直な言葉で語った。

そして加盟企業全員がそれを食い入るように聞き入っていた。

神崎社長は最後、声に力を入れこう締めくくった。

「想いは必ず実現する!あとはそれを実行する!それを体感した1年でした。そしてその想いを支え続けたのが、『YOU&MEの理念』でした」

17年トップを走り続ける企業であってもその時々で恐怖や危機を感じる時がある。しかし、それがあったから社長として成長できたと神崎社長は言った。

開催旗リレー(2020年度第32回ユーミーマンション全国大会開催地発表)

来年の開催地発表も、この全国大会を盛り上げる一場面だ。

次回開催地は、群馬県前橋市。3番目に加盟歴が長いという「渋沢テクノ建設株式会社」がホストを務めると発表された。

壇上では、船谷社長から渋澤優一郎社長(群馬県)へとバトンが渡され、第32回への期待が高まった。

2日間の取材中、たくさんの参加者の方が、ユーミーマンションについて話を聞かせてくれた。どの人の表情にも自信があって、「ユーミー愛」でいっぱいだった。

これほどまでに「まずあなた、そして私」のYou&Me理念が浸透しているのは、関わる人々ひとりひとりがそれを大切にしているからだと痛感した2日間だった。

(ささき三枝)

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