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2019.08.22

♯二地域居住♯連載

〈後編〉アメリカに学べ!不動産情報アプリ「Trulia」が面白い

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【第5回】6つの“家”を持つ“現代版フーテンの寅”が伝授する「多地域居住ライフ」のススメ

梅沢励

 日本に2つ、アメリカに4つ、合計6つの家を持ち、4台のマイカーを乗りこなして自由な移動を繰り返す“現代版フーテンの寅”こと、梅沢励さん。東京、千葉、マイアミ(フロリダ州)、オーランド(フロリダ州)、ジャクソンビル(フロリダ州)、アトランタ(ジョージア州)を行き来する「多地域居住」の暮らしは、今年で16年目に突入した。5年前、グリーンカード(永住権)を手に入れ、生涯アメリカ居住を宣言。オンラインアパレルショップで生計を立てながら、週末は、アメリカ国内の催事場で日本から運んだ飴玉やグミ、チョコレートを売りさばく気ままな暮らしを楽しんでいる。

本連載は、アメリカ人とニッポン人、双方の感覚を併せ持つ寅さんこと励さんが、リアルで痛快な「多地域居住ライフ」を紹介する本邦初の手引書である。今回は、前回に引き続き、私が不動産情報を得るために使っている不動産アプリについてお伝えする。

前編はこちら⇒〈前編〉アメリカに学べ!不動産情報アプリ「Trulia」が面白い

投資額によってどんな物件があるのだろうと調べるときの利用方法<ダラス編>

ダラスの不動産ツアーが人気だというので、ダラスで日本人に人気のある地域の物件を見てみたいと思います。

私自身も数回しか行ったことがない場所なので、この地域にあまり詳しくないという前提で調べてみました。

日本のスーパーマーケット「ミツワ」なんかがある、PLANO(プレイノ)という地域のあたりで、このあたりはダラスに住むアジア人と話をすると、すぐに出てくる名前の街。ダウンタウンまで高速道路で30分くらいの距離です。

新興住宅地なんでしょうかね、この2~3年で建てられた家に絞って検索しましたが、たくさん売り物件がでてきました。ざっと100件以上はあるかな。

販売価格は4000~5000万円の物件が目立ちます。

ここは一軒家で、70坪、5000万円。

天井が高くて、素敵な物件ですね。

家賃の状況は、こんな感じです。

大豪邸で賃料は1ヶ月、3000ドル ハワイとはだいぶ相場が異なるか。

販売価格が5000万円で3000ドルのレントならば、、、

30万円×12ヶ月÷5000万円=7.2%。ハワイよりも利回りはよいか。。。もちろん、地域によるでしょうけれど。

こうして調べてみると、どのくらいの金額で、どのような物件が販売されているのか、自分に合った投資がこの地域でできるだろうか?などを簡単に調べられると思います。

ちなみに写真では家具が付いていますが、家を売る時は、基本的に中身は全部無くさなきゃいけないというルールです。どうしても欲しい人には、オプションで購入者に価格をつけて販売できる形になります。

ホームステージングの本場、アメリカならではですね。

ただ、冷蔵庫や洗濯機、乾燥機、湯沸かし器、キッチンのアプライアンス(レンジ、オーブン、ディッシュウォッシャー)は基本的についてきます。

僕が家を買った時は、家具などは交渉して譲ってもらいました。その時に車も買った覚えがあります。引っ越しで車もいらないと言われて、現金で譲ってもらいました。

本気で、投資する気で調べるぞ!<フロリダ編>

僕が過去に本気で投資しようと考えた地域を例として、考え方の手順をお話しします。結局、投資には至りませんでしたが、数年前にみていた物件の1つを紹介していきましょう。

フロリダは、過去に投資したことのある地域で、土地勘がありました。

また、観光地に近く、ディズニー・ワールドへのアクセスも良いから観光客の利用が多いかもしれない、Airbnbに使えそうだ、レストラン、スーパーへのアクセスもよく、生活しやすい、何しろ地域が安全である。開発途上中だから今後も地価があがりそうだと考えた地域です。

アメリカの場合、地域についてもっとも僕が注意しているのは、「地域が荒れること」です。土地はたくさんありますので、新しいコミュニティーが次から次へとできる。すると、新しい地域が近くにできれば、古い地域は家賃が安くなり、コミュニティーが荒れていきます。

そういう地域を選ばないためには、交通機関があったり、山や川、海岸が近い、観光地の近くだったり、ショッピングモールの近く、商業地域へのアクセスが良い場所を見極めることが大切です。特に、大学など学校の近くというのは比較的安全になる傾向があります。

犯罪発生件数なんかも調べながら場所選びをしてみましょう。特に学区のランクが高いところは家族が住みたい地域になるので自然と安全になります。また、スーパーマーケットのブランドを見ることも大切です。地域性が反映されるので、オーガニックスーパーが近くにあるなども良い地域性を示していると思います。

<地域性>
普段どういう人たちがこの地域を通過するのか、どういったお店が周りにあって、夜の雰囲気はどうだろうか?朝は住民が仕事や学校にでかける。昼間は主婦が買い物にいく。小さい子供が遊んでいる。そういった地域が安全なように思います。

<コミュニティー>
大人が昼間からふらふらしているようなコミュニティは何か変だと思いましょう。止まっている車はどういう車だろうか?トラックばかりか、ボロボロの車ばかりか?きれいに整備されているか?清掃されいるか?そもそもコミュニティーはきれいに運用されているか?ゴミがたまっていないか?などなど目で見ることにしています。

<アプリからの情報で、地域の学校、スーパー、そして犯罪件数を調べる>

色の濃い地域は犯罪が発生している地域、できる限りLOWEST、犯罪が発生していない地域を選びましょう。

私が過去に調べていた地域について

これがフロリダのオーランドで販売されている物件で、200~300戸はあるコミュニティー。ある程度、コンスタントに売りに出ています。

価格帯は1500万円程度で、ベッド数は1から2。

家賃は、1100ドル程度。販売価格は1300万円。

利回りとしては、

1100ドル×12ヶ月÷1300万円=10%

10%だから良さそうに思います。では、もっと詳しくみていきましょう。

毎月の管理費206ドル、この地域ではこの程度が相場です。

ウェブで調べれば、固定資産税も簡単にでてきます(残念ながらアプリとは連動していません)。

同じ名義が多いな、つまり一人が投資していくつも持って貸し出しているんだな。。。

そういう投資方法があるということがわかります。

2010年に投資を始めたと思われます。ほかの物件もひとつひとつみればいつ取得したかがわかります。

固定資産税は、このページを見れば、

1300ドル程度と判明。

ところで一体いくらくらいで買ったのだろうか?それは価格の履歴を見ればよいでしょう。

2007年には1800万円近くしたんですね。

そして2010年5月に360万円、2019年4月に750万円、現在は1200万円。

住所をひとつひとつ調べていけば、もしかしたら特定の人物や特定の会社が投資物件として入手している数が多いのかもしれません。それはとても特別なコミュニティーだと予測できます。

僕もそういう投資をするのが良いのかもしれません。僕が地域をみていたのは、2015~16年頃だったように思います。

金額は700万円、家賃は750ドル。すでに入居者がいる物件で、老人、年金生活者で、家賃は上げないで欲しいと懇願されました。僕はまだこの物件を買うと決めたわけじゃないと説明し、人が入っていない物件が欲しいと不動産屋には伝えたけれど、このコミュニティーには当時、物件は売りに出てなかったので、結局買うことはありませんでした。

買いたいと思っても、物件が売りに出ていないことも当然にあります。

その場合は、アプリで物件が売りに出た時に情報をこちらに送るように設定して、時が来るのを待てばよい。日本にもこういったアプリがあれば売買はもっと盛んになるように思います。

新しい地域に行ったらこのアプリを立ち上げてみよう

アメリカってすごいんですよね。固定資産税がウェブで公開されていたり、どんな犯罪が発生したりしているかがすぐにわかる。学校の情報からレストランの情報まで、それが不動産アプリ上に出てきて、投資の判断に助言をくれます。

自分でいろいろなことを調べられるから、僕は個人的にこんなに情報が簡単に手に入るものなのか!と、投資の際にいくつも情報を吸い上げて判断材料にしてきました。

なによりこのアプリは操作が簡単なので、新しい地域に行ったら、雰囲気を見ながら、このあたりは、物件価格はどのくらいなのだろう?このあたりは投資するには価値がありそうかな、ここは土地が上がりそうだ!など、自分の目利きでサラリと調べられるわけです。

「Trulia」は、日本で言うところの「Home’s」や「Suumo」など民間企業のWebサイトが運営しているようなものですが、日本でも早くできれば便利になるのになと思います。

前後編に分けて、不動産情報アプリ「Trulia」をご紹介してきました。アメリカ旅行に来る際には、皆さんもこのアプリを片手に町中を見学していくと、いつもと少し違った感覚を得られるかもしれませんね。

前編はこちら⇒〈前編〉アメリカに学べ!不動産情報アプリ「Trulia」が面白い

(梅沢励)

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