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2019.10.31

♯新しい暮らし方

築39年の築古賃貸マンションにゾッコン♡

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最近のカップルの部屋の探し方

「最初に部屋サイト『good room』で本多マンションの写真を見た時、本当に住むことになるとは思いませんでした。華やかな新居のイメージとはどちらかと言うと無縁な感じでしたから」

照れくさそうに語るのは、1週間後に始まる新生活に胸を躍らせるケイスケさんとアキコさん。共に30代の恋人同士だ。

二人が新居に決めたのは、新宿から電車で約20分の大江戸線「練馬春日町駅」から歩くこと8分の場所に立つ、築39年の賃貸マンションだった。

元々、別々で暮らしていたが、ちょうど一年くらい前から一緒に住む部屋を探し始めていた。

二人が部屋に求めた条件は下記の通り。

2LDK
新宿から30分圏内
トイレ・風呂別
独立洗面台付き
温水洗浄便座付き
収納が多くある
趣味を楽しめる部屋がある

利用した部屋探しサイトはこちら。

LIFULL  HOME’S(ライフルホームズ)
goodroom(グッドルーム)
at home(アットホーム)
ietty(イエッティ)
Yahoo!不動産

ポータルサイトをフル活用し、仕事の合間を縫いながら理想の部屋を探し求めた。

しかし、「いいな」と思った部屋があっても二人の気持ちが固まった時には、時すでに遅し。別の人の申し込みが入ってしまった、ということが数回続いた。

「なんだかタイミング合わないね」

その度に二人で肩を落とした。

そんな二人に運命の出会いがやってきた。

「本多マンション」との出会い

さかのぼること1ヶ月前の、8月のある日、行き詰まり感を覚えながらも、根気強く部屋探しサイト「goodroom」で部屋を探していたケイスケさんの手が止まった。

「本多マンション?自分好みの部屋にできるって書いてある……」 

そこにあったのは、“自分好みの部屋にできる”という言葉だった。部屋を紹介するコメント欄に、DIYという言葉はなく、「壁のペイント」「輸入壁紙」「扉に貼る和紙」などの言葉が並んでいた。

「建物の写真は地味だけど、室内の壁の色や柄が選べるんだ」 

海外製や和紙などこだわった壁紙のカタログの写真もあり、そこから好みの商品を選べば、その状態に仕上げてくれるものだと思った。

「いいんじゃない?」

早速、ケイスケさんは本多マンションへ内見へ向かった。アキコさんの予定が合わずに最初に行ったのはケイスケさんひとりだった。

内見で目からウロコ落ちる

内見にはハウスメイトショップのスタッフが対応してくれた。

「“DIYが初めて!”という入居希望者のために、プロのスタッフがDIYをサポートするというサービスが付いているんですよ」と、楽しそうに説明してくれた。

実際に内見した部屋は、DIYの施工前になるため、壁や床が古い部屋のまま。築39年の年季がしっかりと刻み込まれていて、不安の方が大きかった。

ただ、その後、プロが仕上げたというモデルルームを見て、ケイスケさんの目の色が変わった。

「こんなに変わるんだ〜」と思わず声がでた。

それを聞いたハウスメイトのスタッフは、こう続けた。

「他の部屋では、若い子が部屋をルームシェアし、DIYをして、自分達で暮らしやすい部屋を作っていくようです

実はこのマンションには珍しい特徴があった。それは、入居者が室内を自由にDIYできるということ。壁のペイントや壁紙、キッチンタイル、クッションフロアに到るまで、入居者が自ら模様やデザインを選び、自分で施工するというユニークな取り組みを行っていたのだ。

その時、ケイスケさんは、こう思ったという。

「何か物を作ったり部屋を自分好みにしたりすることはには興味あるけど、がっつりDIYというのはなあ、やったことないしなぁ」

その日、ケイスケさんは、興奮する気持ちと不安の両方を抱えながら帰宅。アキコさんに相談すると、「部屋のことはお任せだったし、何と言えばいいか…。ただ、本当にDIYってできるの?」。

その時点では、まだ二人ともDIYをやるという気持ちになりきれずにいた。

本多マンションに住むことを決めて

その後、2度目の運命の出会いが待っていた。

「DIYサポート付き本多マンション」を企画し、今後物件の管理も行っていくという不動産会社、ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんだった。

8月下旬、代官山にある「Decor Interior Tokyo」にケイスケさんはいた。

Decor Interior Tokyoを運営する夏水組の坂田夏水さん、DIYアドバイザーの石井麻紀子さんらからプロのアドバイスを受けながら、好きな色であるブルーを基調に、壁紙の模様や床材を選んだ。アキコさんは、仕事で来られなかったため、写真や電話などでやり取りをした。

「実際に店にいき、壁紙などを選んでいくうちにDIYやるんだと実感していきました」とケイスケさんは振り返る。

DIY初日の9月20日。

ケイスケさんは、自ら手を動かし、DIYを行ったことに対して思う。

「壁のペイントを行ったのですが、先生に聞かなくてもできるかなと考えていました。しかし、やってみると、この塗り方でいいのか、この幅でいいのか、重ね塗りは何回やるのかなど気になることだらけ。プロの先生がいることがとても安心でした。他にも色々なDIYに挑戦していきたいという気持ちが芽生えました」

入居者がDIYができる今回の本多マンションは、築39年といわゆる築古物件になる。しかし、「自分好みに」という若者世代のニーズをキャッチすることで新たな入居者層をつかむことができた一つの例だ。

今回、話を聞いた新入居者のお二人も、お風呂や水回りの設備の古さに対しては抵抗があるようだが、それ以上に「自分たちらしい好みの部屋が作れる」といったところに大きな魅力を感じていた。

昔からインテリアやDIYになどに興味はあったが、実際に自分たちで行うことがなかったというケイスケさんとアキコさん。「ここまで大掛かりなDIYができる賃貸住宅があること自体に驚いた」と語りつつ、もっとも驚いたのは「自分たちがそれを実行できたこと」かもしれない。

サイトで本多マンションに出会い、その後、ハウスメイトショップのスタッフ、企画した伊部尚子さんや夏水組の坂田夏水さん、DIYアドバイザーの石井麻紀子さんとの巡り会いを通して二人の気持ちや行動が変化していった。そのきっかけとなったのは、“本多マンション”という一つ“家”であり、家が人の人生や生き方までをも動かすことになったのだ。

(Hello News編集部 山口晶子)

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