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2020.03.19

♯インタビュー

<後編>中央学院大学の学生会館がイケアのプロデュースで「学生が集まる空間」に大変身!!

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中央学院大学が築28年の学生会館「Via」(ヴィア)をリニューアルオープンしたのは、2019年9月11日のこと。前編ではリフォームに至った経緯についてお伝えしたが、後編では施工前と施工後を比較しながら「2階と3階はどう変わったのか?」「学生たちにどんな影響をもたらしたのか?」などについて、同大学の入山義裕事務局長と総務部の石毛由香里さん、プロデュースを担当したイケア・ジャパンの福居泰介さんの話を紹介する。


写真左から、中央学院大学 入山義裕事務局長、総務部総務課主任 石毛由香里さん、イケア・ジャパン株式会社 福居泰介さん

学生たちが集まりやすい「学び・活動・憩いの場

 ──かつての学生会館「Via」は、どこにでもありがちな学食のイメージが強かったように感じますが、「学び・活動・憩いの場」として新たなスペースに生まれ変わりました?

石毛さん
地域連携のイベントやゼミでの利用も想定し、カフェエリア、ミーティングエリアといった感じで、エリアごとの意味づけをイケアさんにお伝えし、あとは基本的にお任せでした。どのようにできあがるのか楽しみでしたが、ここまで素敵になるとは予想していなかったので、イケアさんにお願いして本当に良かったと思っています。

入山事務局長
学生たちもリニューアルした「Via」を見て、感動していました。OB・OGまでもがネットで情報を拡散してくれて、多くの方に知っていただけたことはうれしかったです。本学のホームページのアクセス数もオープンから2日間でページビュー(PV)が8000件までアップしました。

イケア福居さん
設計と施工は、ホテルや旅館などのリフォームで実績の豊富なJTB商事さんにお願いしました。デザインの特徴としては、エリアごとの仕切りをなくしオープンにすることで、ゆったりとした雰囲気を演出しつつ、フロア全体として見た時に、まとまりがある空間になるようイメージしました。また、グリーンを随所にあしらい、居心地の良さを追求したり、ペンダントの長さが異なる照明を使ったりして、リラクゼーションと奥行きのあるコーディネートを融合させたりしています。床に座れるスペースや1人席も設け、自由にくつろげる空間をつくった点も学生にウケたのではないでしょうか。


3階「ラーニングエリア」は、静かで穏やかな空間が広がっています。一人掛け用ソファは、イケアの「ストランドモン」を配置。高めの背もたれで、うとうと居眠りも…

 ──2階、3階のリフォーム内容を簡単にご紹介いただけますか?

イケア福居さん
2階はカフェ、インフォメーション、ミーティング、コミュニティと4つのエリアをつくり、それぞれの目的に合ったデザインを考えました。例えば、「カフェエリア」は街中のおしゃれなカフェをイメージし、憩いの場所として使いやすいようにしました。「コミュニティエリア」は段々畑に似たデザインで、少し幅広の段をつくっています。ここはパブリックビューイングやゼミなどの発表会にも使えるようにデザインしましたが、普段からみなさんが段に座っておしゃべりしたり、寝そべったりして、楽しそうに過ごしていますよね。

【Before】

【After】

2階のコミュニティエリアは、パブリックビューイングや各種発表会、地域交流のイベント時に使用。ここでくつろぐ学生もたくさんいるとか。以前はロッカーが置かれているだけで、ほとんど活用されてなかった

イケア福居さん
3階は自主学習ができて、ゆったりとくつろげるスペースを設けました。「ラーニングエリア」「リフレッシュエリア」「レセプションホール」と全部で3つのエリアがあります。比較的、静かな空間を意識しましたが、照明やイスはホテルライクな要素も取り入れてみました。

【Before】

【After】

3階の「リフレッシュエリア」。ここが学校であることを忘れてしまうくらい、ほっとできる場所。天井から吊るされたイケアのペンダントランプ「バッカボー」が和の雰囲気を醸し出し、柔らかい光に癒されます

弊社はオフィスのリフォームが多く、学校関係でここまで大きな作業を行ったのは初めてでしたが、みなさんに喜ばれ、また大事に使っていただき、このプロジェクトに参加できたことを心からうれしく感じています。北欧家具や雑貨と言うと、原色をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、実際は温かい色味が主流です。水色でもふわっとした中間色を使うことが割と多く、ビビッドな原色はポイントで使うことが好まれます。そうした点でも、イケアの売りである北欧インテリアは、どんな空間にもマッチすると思いましたし、改めて北欧スタイルの良さを再発見することができました。

入学試験志願者は前年から70%増加

 ──「Via」が新しく生まれ変わり、どのような影響がありましたか?利用する学生は増えたのでしょうか?

入山事務局長
多くの学生が利用するようになって、「Via」に昔の活気がよみがえってきました。3階の「ラーニングエリア」には、コンセント付きの丸テーブルを配置し、タブレットやノートパソコンを使って仲間と語り合い、勉強するシーンを思い描いていたんですが、まさにその通りの結果になりました。土足厳禁のスペースは靴を脱いで使ってくれていますし、ゴミが散らかっていることもなくなりました。よく「環境が人をつくる」と言いますが、それを強く実感しています。

石毛さん
リニューアル時にアンケート調査を行った結果、大変満足と答えた学生が約47%、満足と答えた学生が約43%となり、90%の学生が満足している状況です。満足度の高い理由として多かったのは「インスタ映え」ではなく、「きれい・清潔」「おしゃれ」「落ち着く」が80%近くを占めていて、これは目的に合ったリフォームが功を奏したと結果だと見ています。


2階の「カフェエリア」はレトロな雰囲気も感じられ、いるだけで心がなごみそう

 ──このリフォームをきっかけに、今後、大学としてどのような活用や方向性を目指していく予定でしょうか?

入山事務局長
本校の建学精神の中に「自立」という言葉があるように、今後は学生が自主的に運営できるような取り組みも考えています。休みの期間でもここに来れば仲間がいて、有意義な時間が過ごせるようにしていきたいです。今回のリフォームはそうした点でもよい動機づけになりました。学校の活性化にもつながっていくのではないかと思っています。ありがたいことに今年の入学試験の出願者は去年の70%増です。将来的には学生からも希望が多い軽食販売やカフェテリアの再開も検討していく方向です。

(ライター 飯島順子)

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