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2020.04.09

♯インタビュー

「新型コロナの影響とこれから」コメント集Part.3(日本エイジェント 樋口さん、中国深センの飲食コンサル、CM制作ディレクター、赤坂ライブハウスの経営者、六本木ナイトクラブのママ、銀座のママ)

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愛媛県松山市の賃貸管理会社、日本エイジェントの経営企画推進室 執行役員、樋口孝幸さんに聞いた(2020年4月7日)

繁忙期が終わりましたが、コロナの影響はありましたか。

仲介の現場においては、今のところ影響は出ていないように感じています。今年の繁忙期は、例年に比べて仲介件数、来店数もむしろよかったという印象です。2月、3月の仲介件数も前年比120%前後の伸び率です。法人についても、多少異動がなくなったという話も耳にしましたけれど、弊社では大きな影響は出ていません。とはいえ、これから影響は出てくるのではないかとも感じています。

元々無人店舗やIT重説など積極的に賃貸業界のIT化を進めていた印象がありますが、今年は何か変化ありましたか。

IT重説については、元々利用率が75%ほどでした。今年目立った動きとしては、オンライン内見の利用率が上がったことでしょうか。現場スタッフの感覚値ですが、前年と比べて4倍ほど伸びたと聞いています。そのほか、来店不要の「LINE」を活用したウェブ接客も行っています。

オンライン内見とはどのような仕組みですか。

スタッフが部屋に行き、カメラを回してキッチンや居室スペースを見せながら、お客様と会話する仕組みです。弊社自前のシステムになっています。去年からスタートし、元々は県外の法人のお客様に向けたサービスでした。今年、コロナウィルスが拡大し、世間で非対面などの意識が高まりました。そこで、弊社では、来店不要や非対面接客、内見などをHP上で打ち出したところ利用率が上がったのではないかと考えています。

社員の意識も変わりましたか。

ウェブ接客もオンライン内見も店舗スタッフが積極的に利用するようになりました。元々導入していたサービスだったので、混乱はなかったと思います。日頃から改善点は吸い上げて反映していた成果も出ていたかと思います。社内でもウェブ接客やテレワークを推奨、徹底という形で進めています。経営企画室などの部署ももちろん、仲介現場でもテレワークの実施が始まっています。

管理や駆けつけを行うレスQの部署はどうですか。

社内では、業務上、テレワークが「すぐできるところ」「準備すればできるところ」「結構準備が必要なところ」「業務改善しなければできないところ」と4段階に分けています。基本的には、テレワーク実施を目指しています。レスQに関しては入居者自身にアプリの活用やチャット対応、マニュアル解決など自己解決を促すようしています。

賃貸業界はどのように変化していくとお考えですか。

個人的には生産性が上がったと感じています。また、いい意味でも悪い意味でも成果主義が強調された感じもします。本来の仕事の仕方が重要になってくると感じました。この不測の事態をきっかけに新しいことに挑戦することや賃貸業界の業務の見直しの機会になればと感じます。

中国・深センの飲食系コンサルティング会社で働いている中国人女性(2020年4月7日)

深センではどのような対策を行っているのですか。

建物に入る時は、QRコードで身元証明と検温を行ったり、行動履歴からその人の感染率をチェックされたりします。エレベーターのボタンすべてに抗菌カバーがかぶせられ、国からの指示で建物の管理者が1日に何回も建物内の消毒を行います。また、集団感染が発生した場所にいた場合、その場所にいた人みんなが、15日間、自宅待機しなくてはなりません。もし感染していたら、その人が住んでいるマンションの住民も自宅待機になります。もちろん、賃貸も分譲もです。

かなり厳しい措置ですね。

その間の食べ物は、マンションの管理人がマンション内の決められた場所に届け、住民が各々ピックアップする形です。住民から反発は特になく、コロナの怖さを理解しているから、みんな納得して従っています。これらの消毒や食料支給に掛かった費用は、民間企業や一部の個人から無償で配られることが多いです。中国には「一方有难,八方支援」という言葉があって、お金持ちや海外に出て成功した人などが経済的に恵まれない人を支援するという習慣があり、特に50代以上の人々には根深く染み込んでいます。


中国・武漢で野菜を支給している様子

マンションでは他にどんな対策が取られているのですか?

マンションから外出する時は、個人カードを管理人に提出する必要があります。外出は1人あたり1日2回まで(仕事での外出は除く)と決められているので、もし3回目の外出をしようとすると、管理人に止められます。

今でもそういう対策が続いているのですか?

外出自粛要請が解除されていますが、今でもコロナ対策は続いています。いまだに住宅街では、国の指示で1日に何回も消毒が行われています。もちろんビル入館時の検温などもです。

飲食業界はいかがですか?

とても苦しい状況です。というのも、これまでは国が「飲食店はテイクアウト以外の営業は禁止」と言っていたので、外出自粛要請が解除された今でも、レストランで食事したいと思っている人はほとんどいません。みんな、家で食べる習慣がついてしまったんです。だから飲食店の売り上げは、外食禁止だった感染ピーク時と比べても、ほとんど変わらない状況です。また、すでに発注済みの食材は返品できないので、その支払いに追われて潰れてしまった飲食店がたくさんあります。

厳しい状況ですね。どうやって解決していこうと考えていますか?

今、国が国民1人ひとりに毎日、飲食店での食事に使える電子クーポンを配っています。まだ目に見えて効果は出ていませんが、それでも少しずつお客さんが来てくれているように感じます。常通りの売り上げに戻るには、半年くらいかかりそうですが、今は未来を見据えて頑張っていくしかありません。


電子クーポンは毎日スマホに届く

六本木、赤坂のライブハウスで働く音楽関係者に話を聞いた(2020年4月3日)

今、ライブは行えているのですか?※「緊急事態宣言」発令前のコメントです

4月のライブは、ほぼ全滅です。店は開けていますが、ミュージシャンの方や、ボーカリストさんから続々とキャンセルの連絡があります。ただ、みなさんが本当に悩んだ上での決断なので、もちろんキャンセル料金はもらっていません。

コロナ対策は行っていますか?

ボーカルがいない場合などライブの内容によっては、基本的にみんなで静かにお酒などを飲みながら演奏を聞いているだけなので、コロナ感染者がでる可能性は少ないと思っています。とはいえ、店内は毎日除菌をして、楽器から何から消毒して受け入れ体制を整えています。ただ、そういうことはメディアに取り上げられないのが現状です。やはり命には変えられないので、自粛要請を受け入れていますが、本当にジレンマです。今、私たちにできることは、無観客でライブをして、それを動画配信して、お客さんに楽しんでもらうことくらいです。そして、コロナが落ち着いたら、どうぞどうぞお店にきてくださいと祈るばかりです。

CM制作ディレクターに聞いた(2020年4月3日)

仕事への影響を教えてください

減った仕事は基本的にありません。逆に、Webセミナーの動画制作や中止になった展示会のWebマーケティングとWebサイト制作といった仕事が増えました。また、これまで動画に興味や関心がなかったの人から動画をやりたいという相談も増えています。ただ、動画について何も知らない人なので、動画の良さを説明したり、制作までの手順をイチから説明したりする必要があるので、打ち合わせに手間がかかって少し大変です。

今後の見通しはいかがですか。

ネットを介してのビジネスが圧倒的に増えてきそうな予感がしています。人対人の良さは、最後の最後でしか武器にならないと言いますか。。これからどうなるか、不安と期待が混じっている状態です。

赤坂、六本木のナイトクラブで働く女性に聞いた(2020年4月3日)

現状を教えてください。※「緊急事態宣言」発令前のコメントです

今はほぼ完全に自粛して、お店を閉めています。小池都知事から「ナイトクラブには行かないように」と、あそこまではっきり言われてしまうと店を開けていること自体、非国民になってしまうというか…。喋ることが仕事なわけだから、もう完全に白旗です。ただ、あれだけはっきり言うからには、腹をくくっているんだろうと、そのあとの保証に期待して今はとにかく耐え抜くしかないですね。


夜の銀座。歩いている人はほとんどいなくなった。

どのようなことに困っていますか?

お店の女の子のお給料を保証してあげられるわけではないので、心が痛いです。だからと言ってクラスターにでもなったら責任は取れませんし…本当に複雑な心境です。

今後はどうされる予定ですか?

今後の見通しは、全く未定です。3.11の時も、みんな自粛して我慢していましたが、落ち着いた後、一気にお客さんが激増したので、その時のことを思いだして、今はひたすら耐えるという感じです。

1日1組完全貸切予約制カウンタークラブのママに話を聞いた(2020年4月3日)

お店の売り上げはいかがですか?※「緊急事態宣言」発令前のコメントです

貸切で営業しているので、気持ち的に安心と考えているお客様が来てくれているので、売り上げは激減しているわけではないです。むしろ、普段よりも予約が多い時もあります。

予約が増えているのですね。

本当は、自粛してお店も閉じた方がいいんでしょうけど、そうすると本当に食べていけない。お叱り覚悟で今(「緊急事態宣言」発令前)も営業を続けています。ただ、これだけ感染者が増えると、これからはそうも言っていられないかもしれません。

(Hello News編集部)

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