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2020.04.16

♯インタビュー

「新型コロナの影響とこれから」コメント集Part.4(ビル管理会社、貨物運送会社、保育士、2児の母、北京のゲーム会社)

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東京の独立系ビル管理会社勤務の男性に聞いた(2020年4月14日)

家賃を払えない施設が増えていると聞きました。賃料減額の相談などは受けていますか。

弊社が管理するビルに入居する店舗系テナントの大半から、賃料減額、または減免してほしいという要望が届いています。売上がかなり落ち込んでいるため、3ヶ月くらい待ってほしいと。一方、オフィスについてはまだそういった声は届いていません。ただ、オフィスは業績が悪化したら、経費削減(人件費等)→固定費(賃料等)という流れがあるため、あと数カ月したらそういう要望も出てくるのではないかと予想しています。とはいえ、そこが本社所在地だったり、移転のコストだったりを考えると、そう簡単には引っ越しできないはずなので、減額要望は出てくると思いますが、店舗ほどではないかと予測しています。

そういった減額要望に対して、どのように返答しているのでしょうか。

店舗については、このタイミングで退去されるとしばらく空室が続く可能性があるため、なるべく退去されないように、個々に要望を聞いて交渉しています。あとは、国交省から不動産関連団体に要請があって、その内容が賃料支払いの猶予や柔軟な措置を実施してくれというものなのですが、弊社はそれを参考に4月の賃料については、期限を決めて5月末まで支払い猶予しますとういうのを全店舗に伝えています。


国土交通省から3月31日に発表された賃料の支払い猶予に関するプレスリリース

ご自身の仕事への影響を教えてください。

強制的に在宅勤務が始まって、最初は「無理、無理」と思いましたが、少しずつ慣れてきました。事態が収束すれば、結果的に柔軟な勤務体制になるんじゃないかなという期待もしています。

会社としてどのような新型コロナ対策を取っていますか。

「緊急事態宣言」発令後から、週1回の時差出勤と、それ以外の日でテレワークをしています。また、会社には体調管理表があり、部ごとに毎日、検温の結果や体の状態を総務部に報告しています。止むを得ず外出しなければならない場合は、事前に申請を行っています。

今後、ビル管理業界にとってどのような変化があるとお考えですか。

メンテナンス、ハード面に関して言えば、現段階ではまだそこまで動きはないかなと感じています。これが震災等であれば、耐震や防災の強化等が考えられます。

主要空港で働く貨物運送会社勤務の男性に聞いた(2020年4月13日)

配送する国や地域、宅配物の数や量などに変化はありましたか?

荷物の配送を引き受けられない国が数ヵ国出てきました 。国際宅配便の特徴かもしれませんが、数量に関しては大きな変化はありません。

ご自身の仕事への影響を教えてください。

現場での仕事なので、特に影響はありません。

会社としてどのような新型コロナ対策を取られていますか。

国や東京都からの要請に従って、在宅勤務ができる人は実施しています。現場で働く人も時差出勤が可能な人は時差出勤をしています。また、協力会社も含めて、職場でのマスク着用が義務づけられています。マスクは会社から配給されています。また、事務所内では自分の周辺を定期的に消毒するようにしています。他にも、協力会社も含めて、毎出勤時と4時間ごとに体温を測定しています。

今後、物流業界はどのように変化するとお考えでしょうか。

ドローンの活用、大型トラックの自動運転化を制した会社が生き残ると思います。また、その流れが加速すると思います 。

杉並区の民間保育園に勤める保育士さんに聞いた(2020年4月13日)

保育園の規模を教えてください。

園児は、約70名。私立の保育園です。

4月7日の緊急事態宣言を受け、感染防止対策として子どもの安全を守るために杉並区は休園を決めました。保育料はどうなるのでしょうか。

3歳〜5歳はもともと無償です。それ以外の園児に関しては、休園中の保育料はいただかないようです。補償や補填があるのかは、管轄は区役所の保育課になりますが、詳細は分かっていません。

子供たちの様子はどうでしょうか。

家庭保育になってる子どもについては、多少のストレスは抱えていると予想されます。思うように外へ行けない、出かけられない。親のイライラが当たる、などです。登園している子どもも、普段の様子と違うので、不安定になっている子はいます。

保育士さんも在宅勤務をされているとか。

在宅といっても保育士の場合はできないことが多いです。ですから、課題が出てそれをやっています。例えば体幹が弱い現代っ子が簡単にできる遊びはなんだろうとか、課題に応じて考えたり、レポートをまとめたりしています。

アフターコロナで保育の現場はどう変わると予測されますか。

子どもの精神面のケアはかなり重要視されると思います。園としては安全対策の見直しが大事になりますね。

保育園に通う2児の子を持つ母親に話を聞いた(2020年4月14日)

保育園が休園になり、子ども2人を自宅でみていると聞きました。お仕事はお休みされているのですか。

休みを取ったわけではありません。「緊急事態宣言」発令と同時に、職場である百貨店が臨時休業することになったため、雇用先の化粧品会社から「明日から自宅待機ね」と言われた形です。ただ幸いなことに、保育園が休園になる1日前に私の自宅待機が決定したので、仕事を急に休まなくて済み、仕事への支障はありませんでした。しかし、この自宅待機が有給休暇にあたるのか、それとも特別休暇にあたるのかはまだ不明なので、今後のお金のことなどを考えると心配になります。

子どもたちの様子はいかがですか。

遊びに出かけたり友達と遊んだりできないことで、ストレスを抱えているように感じます。歳の近い姉妹なので、ケンカすることも多く、それによって母に叱られる悪循環で情緒が不安定になっているのではないかと不安です。娘2人とも、以前より抱っこを求める回数が増えています。また、夜泣きも増えたように思います。

どのようにリフレッシュしているのですか。

1日1回、人通りの少ない広場に行って思いっきり走らせています。あり余る体力の消費だけではなく、ストレス発散の意味でも、娘たちには必要だと考えています。また、自宅ではイチゴのヘタとりをしたり、手を糊でベタベタにしながら工作したり、新聞紙を細かくちぎって紙吹雪にしたりするなど、簡単なことだけれど、ゆとりがないとできないようなことをして楽しんでいます。

母親の立場から、いつ収束するか分からない今の状況にどんな不安がありますか。

一番の不安は金銭面です。子ども2人がずっと家にいると、想像以上にお金がかかります。今まで保育園に任せっきりだった栄養バランスのとれた昼食を自宅で用意しなくてはならないですし、自宅で長く過ごすにあたって必要な文具や本を都度購入しなくてはならないからです。児童手当に1万円が上乗せされるのはありがたいのですが、とてもそれではまかえない出費です。

仕事へのモチベーションはどのように維持していますか。

正直なところ、モチベーションは維持できていません。自分の体力と時間にゆとりのある今の生活に慣れてしまうと、元の状態に戻ることを考えるのが怖いくらいです。

母親として、今後の育児への考え方に変化はありましたか。

コロナ以前は、平日は仕事の都合で保育園に、土日は子どもの心身の成長になればと習い事に通わせていました。今は保育園も習い事もお休みしている状況ですが、そうなって初めて、幼い子どもたちと一緒過ごせるのは今、このタイミングでしかないはずなのに、その限られた時間の中で子供たちとちゃんと向き合っていただろうかと考えるようになりました。子どもたちの声に耳を傾けず、我慢を強いていたのではないだろうかと自問しています。この事態をきっかけに、子どもたちの成長する姿をしっかり見逃さずに見ていてあげたいという思いが強くなりました。

中国・北京のゲーム会社で働く中国人男性に聞いた(2020年4月7日)

現状を教えてください。

新型コロナへの感染が北京でも拡大し始めた1月頃から、出社とテレワークを交互に行うようになりました。影響が落ち着いた今でも、このスタイルで働いています。また、北京は武漢とは1000キロほど距離が離れていることもあり、スーパーやコンビニはもちろん、飲食店なども、感染ピーク時でさえ少なからず空いていたので、普段の生活に困ることはありませんでした。

日本では「緊急事態宣言」発令後、多くの人が自宅でゲームをするようになったと聞きました。中国のゲーム市場はいかがですか。

実際、売上は伸びています。ただ、取引先などとの関係上、新作が開発できなかったため、昔のゲームが注目を集めるようになりました。

どのようなコロナ対策を行っていますか。

毎日、検温をし、会社から支給されるマスクをして仕事をしています。また、できるだけ公共交通機関は使わないでと言われているため、私は自分の車で職場に行っています。ガソリン代や高速道路の利用料などは会社が負担してくれます。


普段は満員の地下鉄も、コロナの影響で車内はガラガラに

日本と異なる点はありますか。

マスクはどこにでも売っています。宅配便は、1カ月前までは遅延していましたが、今では通常通りに配送されるようになりました。それと中国では今、日本メーカーの空気清浄機が流行っています。自宅用に、みんな買っていますよ。

(Hello News編集部)

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