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2020.04.30
♯インタビュー
売り上げは落ちていますか。
今のところは横ばいですが、これから落ちると思います。不景気になれば広告宣伝予算は真っ先に削減されるでしょう。これまで以上に、営業社員の提案力と企画力が試されると思います。
営業社員もテレワークですか。
そうです。従来は、各社員が何件電話連絡をして何件アポ取り、何件訪問したか、を管理していましたが、今は結果の数字を見るだけなので、管理はかなり楽になりました。同時に全て数字に現れるため、結果を残す社員、残さない社員の差が明確になりました。「とりあえず会社に出社すること=仕事」ではなくなったと思います。
いわゆる“結果を残せない社員”は、会社にいた時は何をしていたのでしょう。
弊社は、広告営業とは別に、イベントも主催しています。イベントをやる時は、運営にまつわる様々な雑務もありますから、営業社員であってもそれをやって仕事をした気になっていたのだと思います。それをどう捉えるか、これからは評価する我々の目線も変わらなければなりません。
対面営業が減ったことで求められていく営業社員のスキルはなんだと思いますか。
おそらくコロナが収束しても、対面して営業する場面はかなり減るでしょう。オンラインでやり取りする時、例えば営業資料の見やすさ、分かりやすさ、デザイン力などが重要になってくるでしょうね。同時に、お客様であっても、「とにかく顔出せ」とか「挨拶に来い、足を運べ」とかを要求する会社は選ばれなくなっていくのではないでしょうか。
同行営業もできないわけですから、営業社員の育成方法も変わるでしょうね。
営業社員の成長過程は、経験を積んでお客さんに怒られたり、ほめられたりしながら自分なりのスタイルを少しずつ確立していく、という座学とは違うものがありました。新卒でいきなり営業社員、という配属自体が見直されるのかもしれません。同時に営業をしたいと望む人は、自ら本を読んだり、人に聞くなどして能動的に「営業学」について学ぶようになるのではないかと思います。
弊社にも、やる気のない社員には「いつでも辞めてやる」という気持ちがあった者もいましたが、今は「辞めても転職できない」状態なので、逆に危機感を持って「なんとか業績をあげよう」と取り組む姿も見受けらるようになってきました。
御社はイベントも事業の主体ですが、今後はどうしていくつもりですか。
イベントのように人が集う場の価値が様変わりしていくと思います。つまり、本当にわざわざそこに行く価値があるイベントなのかが、より厳しく評価されるようになると思います。以前であれば、「とりあえず顔を出しておこう」とか「この時期は毎年やっているから」という曖昧な理由で来場する人も一定数いました。しかしもうそういうことではイベントは成り立たないでしょうね。
新型コロナの状況はどうですか。
ウィスコンシン州で検査を受け、陽性反応が出た患者数は4608人です。そのうち、死亡者数は242人です。私が住んでいるデーンの人口は54万6695人ですが、陽性患者は388人で、死亡者数は20人です。
アメリカでは、いつから外出自粛となったのですか。
まずアメリカでは3月24日に「外出自粛要請」が発令されました。5月26日までと言われていますが、実際はもっと伸びるかもしれません。もし期間中、特に用事がなく外出してしまうと、州によって異なりますが最大30日の監禁、または最高500ドルの罰金が科せられます。また、学校は休校しているため、学生は在宅で授業を受けています。スーパーや郵便局を除いて、ほとんどの会社は在宅勤務に移行しています。
他に禁止や要請されていることはありますか。
生活するために必要な外出は可能ですが、人が集まることは禁止されています。その際、マスクは必須です。また、州を超えての移動も不可で、家族や恋人以外とは、常に距離をとるように国から言われています。
国からの支援はありますか。
国から大人一人あたり1200ドル、子ども500ドルが支給されました。また、ウィスコンシン州では企業に対しても中小企業とそこで働く従業員に500万ドルの支援が行われる予定です。それと、個人的に「NEXTDOOR」というWebサイトを利用しています。このサービスは、お互いに支援が送り合えるようになっており、例えば芸術家や工芸職人が作った1枚12ドルの手作りマスクを購入することで、困っている人を個人が助けることができます。
今回のコロナによって、大変だったことはありますか。
今回、一番つらい思いをしているのは、毎日のようにパーティーに参加していたアメリカ人かもしれませんね。外出自粛は彼らにとって、とても苦しい経験になったと思います。個人的には、スーパーで購入したものに、玄関で一つ一つアルコール消毒するのは、時間や手間がかかって大変でした。
(Hello News編集部)
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