- 出身地
- : 栃木県
- 賃貸暦
- : 18年
- 趣味
- : 野球観戦
- 休日の過ごし方
- : 子供たちとの遊び
- 住んでみたい場所(国)
- : ベトナム
- あなたにとって賃貸とは
- : 夢を叶えるための住まい
ヘヤミセテ
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玄関ドアを開けると、奥の部屋から「早くしなさい」という声と共に、ドタバタと走り回る子どもの足音が聞こえた。すると今度は「私のおもちゃだから」と叫ぶ子供の声が玄関まで響き渡った。
奥の部屋から申し訳なさそうに出てきたのは、都内のベンチャー企業に勤める佐藤永春さん(37歳/仮名)だった。2人目の娘が生まれたことをきっかけに、都内に3LDK(70㎡)のマンションを購入した。それまで住んでいた1LDKの賃貸が、手狭になったことに加えて、子供たちが思いっきり遊べる家をと想像した時、賃貸よりも持ち家の方が工夫できそうだと考え、購入を決意したという。
佐藤さんは妻と娘2人(2歳と1歳)の4人で暮らしている。最寄り駅は東京駅から電車で東に7分、東京メトロ東西線の木場駅。そこから歩いて10分の場所にある14階建てのマンションが佐藤さん一家の住み処だ。
「ここは2年前に建てられ、間取りの多くが3LDKのファミリー向け物件です。エレベーターや廊下ですれ違うのは、ほとんどが子連れ家族で、実際、挨拶回りをした時も家の上下左右、全ての家に小さな子供がいました。同じ世代、同じ家族構成が多いマンションに住むことで、部屋から漏れ出る子供のドタバタ足音やギャーギャー泣き声も『お互い様だよね、お宅も大変だね』と許し合えている気がします」と佐藤さん。
佐藤さんは、子供たちにとっても将来的に近所に友達がたくさんいるというのは、成長のためにも良いことだと思いつつ、子育て真っ只中の現在は、やんちゃなふたりに振り回される毎日を送っている。
玄関の廊下を抜けた先には、横長に広がった12畳のリビングがある。このリビングは佐藤さんがこだわった点のひとつだという。
「これまでひとり暮らしをしていた時は、1Kがほとんどだったので、大きな窓があり、開放的なリビングには憧れがありました」
また、リビングは子供たちの遊び場にもなることから、陽の光がたくさん入った方が子供たちにとっても気持ちいいはずだと佐藤さんは考えていた。
そんな思惑通り、休みの日の朝は子供自らカーテンを開けて、「明るいね」「気持ちいいね」と笑顔で話しかけてくるそうだ。そして、おもちゃを両手いっぱいに抱えながら、夜の間に部屋を整理していた佐藤さんの気持ちを知る由もなく、子供たちは床一面におもちゃ箱の中身をひっくり返して、リビング中を駆けずり回る。
取材中も子供たちは「遊びたい」と言いながら、佐藤さんの腕を何度も引っ張っていた。
「おとなしくなるのは食事中くらいで、あとは基本的に遊びまわっています。だから怪我しないような配慮だけは夫婦で考えて、しっかり対応するようにしています」
例えば、うっかり子供がキッチンに入って火元を触らないよう、キッチンの入り口に柵を設置している。出入りが面倒そうだが、慣れれば問題ない。
また、背の高い家具を設置しないようにしたり、先端が尖っていて顔や体に刺さったりしてしまうようなものも置かないよう気を付けている。
以前、長女がソファーに登り、いきなり飛び跳ねてそのまま落下。大きなたんこぶができてしまったことから、今は座面の位置が低いソファーに買い替えたという。
リビングの床には子供がドタバタしても階下に迷惑が掛からないよう、吸音効果の高いカーペットを、ダイニングスペースには食べ物や飲み物をこぼしても床が汚れないよう、アクリル製のビニールシートを敷いている。
「ネットで検索すれば、Amazonや楽天ショップでこうした子供用のグッズはたくさん売っています。妻は毎日のようにそういった情報をチェックし、うちに必要なアイテムがあれば、都度、夫婦で購入するかどうかを相談しています。お金もかかりますが、やっぱり子供たちに思いっきり遊んでもらいたいので」と佐藤さんは笑いながら言う。
他にもこのマンションを選んだ理由として、佐藤さんはこのように説明した。
「子供が2人いるので、リビングとは別に3つの部屋が欲しいと考えていました。1つは夫婦の寝室。あとの2部屋は娘たちの寝室。ただ、子供が大きくなるまでは親と子が一緒に寝るので、1部屋余ってしまいます。そこで、部屋の1つがリビングに併設している間取りを希望していたんです。その方が、使っていない間は部屋の扉を開けっぱなしにすることで、リビングが広く使えると思いまして」
実際、この空いている1室の扉は常に開かれており、リビングの一部として子供たちのためのスペースになっていた。
ここでは、子供たちが自らおもちゃやぬいぐるみ、絵本を片付けられるよう、棚の高さは子供の身長でも手が届くものになっていた。
現実はというと、親の思いに反して、あまり片付けをしてくれないらしいが、佐藤さん曰く「一緒に片付けようと言うと、お手伝いしてくれることもありますよ」とのことだ。
子供が生まれてから暮らしの概念が180度変わったと佐藤さんは言う。これまでは仕事を終えて一息つく場だった家が、子供の成長を促す場へと考えが変わったというのだ。実際、置かれている家具は、すべて子供の目線を考えて配置した。
これから子供が成長するにあたり、佐藤さんは「その時々で、子供たちが望む形の家にしてあげたい」という。それができるのは、佐藤さんにとって“賃貸”ではなく、自由に家をリフォームできる“持ち家”という選択だった。子供たちがこの家でのびのびと成長していく姿を、佐藤さんは楽しみに毎日暮らしている。
(Hello News編集部 鈴木規文)