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2018.6.7

【取材NEWS】最寄駅から徒歩20分。入居相談に訪れた女性が感じた不安とは

若い女性をターゲットに600棟以上のシェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開してきた株式会社スマートデイズ(東京都中央区)が5月15日、破産した。

1月31日に、突然サブリース賃料支払いの停止を発表した直後、渦中のスマートデイズで入居相談をしたという20代の女性Sさんを取材した。

Sさんは4月から都内の会社に就職することが決まり、当時住んでいた埼玉県内の実家から都内への引っ越しを検討していたという。

「3月に大学を卒業したばかりだったので、お金があまりありませんでした。いろいろ調べていくうちに、シェアハウスであれば、家具もついて初期費用がかからないことを知り、ホームページで印象のよかったスマートデイズに相談することにしました」(Sさん)

東京都中央区銀座の一等地にある入居者相談窓口を訪れた日は、支払い停止の発表直後で、新聞でも厳しい批判にさられていたが、通常通り営業していた。案内されたフロアには、4名ほどの入居希望者がおり、相談や申し込み手続きを行っていたという。3人が20代と思しき女性で、1人は30代くらいの男性だったという。長らく女性専用をウリにしていたが、切羽詰まって男性にも門戸を開いたのだろうかと思ったという。

この日は入居相談という形で予約を取り、内見担当スタッフから説明を受けた。予約をした時点では、サブリース賃料停止問題のことを知らなかったというSさんだったが、訪問前日になって偶然同社のニュースを目にしたという。

席に着き、一連の騒動に関して尋ねると「通常通り入居いただけるのでご安心ください」と説明され、入居に際してはまったく問題ないということを強調されたという。

物件のエリアマップを見ながら、希望のエリアの中で家賃が一番安い所がいいと伝えると、最寄り駅から徒歩20分以上かかる物件を提案された。

「えっ!?20分ですか?」とSさんが言うと、スタッフは驚きの言葉を口にした。

「ホント、なんでこんなところに建てたんでしょうね」(同社スタッフ)

「社員の人がそんなこというなんて、驚きました」(Sさん)

同じフロアには、モデルルームがあり、相談後に見学することができたという。

「新築だったので、中はきれいでした。個室は約7㎡でこじんまりとしていましたが、手荷物ひとつで入居できるのは魅力的でした。共有部のキッチンは、1人がぎりぎりすれ違える程度の幅で、正直実家のキッチンと比べると使いにくそうでしたが、料理はあまりしないので特に気になりませんでした」(Sさん)。

物件の印象は悪くなかったという。しかし、その後のニュースで何かと騒がれ続けて不安になったため、最終的には他社のシェアハウスへの入居を決めたというが、ふとあの時に部屋を探していた人たちはどうなったのだろうと思い出すそうだ。

サブリースが停止されてからは、オーナーは自主管理に切り替えたり、他の管理会社に変更したりするなど対応を迫られた。そして倒産した現在も変わらず住み続けている入居者もいる。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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