• facebook
  • twitter
  • line

ARTICLE

記事

2021.01.21

♯連載

<第1話>無名のヨガインストラクターがレンタルスタジオを経営してみたら

このエントリーをはてなブックマークに追加

<第1話>
乳幼児をかかえたママが不動産経営?!

【筆者プロフィール】

山口紘実(ヨガ講師・セルフ骨盤メイク主催)
1989年生まれ。2歳と0歳の母。20代でのインド放浪をきっかけに、ゆるく幸せに生きようと自営業の道を歩み、27歳の時に提唱した「骨盤メイク」というオリジナルメソッドで独立。2020年にレンタルスタジオ運営を開始し、現在はワークライフバランスを模索中。
骨盤お悩み相談室:http://kotsuban-onayami.com

【目次】
無名のヨガインストラクターがレンタルスタジオを経営してみたら

私がスタジオオーナーに!? 

事の発端は、“ボロビル再生請負人”で知られる株式会社オリエンタルサンの山田武男さんとお茶をしていた時のことでした。唐突に「自分のスタジオは持たないの?」と質問されたのです。

その頃の私は、ヨガインストラクターとして5年働いた後、『セルフ骨盤メイク®︎』というオリジナルの骨盤セルフケアメソッドを考案し、ダイエットや不妊、産後の不調で悩む女性へ姿勢や骨盤の指導をして5年目を迎えようとしていたところでした。


5年ほど骨盤ケアの個人指導を行っている

2歳と0歳になる子供たちを出産し、「自分が仕事を休んだら収入が0になる」というインストラクターの働き方から、定期収入やストックビジネス収入を持つ働き方へ変えていきたいと思っていた時期でもありました。その頃、描いていた理想の働き方は、自分のペースで大好きなインストラクターの仕事ができて、子育ても楽しんで、なおかつ安定した収入を得られればという理想?妄想?に近いものだったと思います。

レンタルスタジオを借りてみて…

それまでの私は、横浜と新宿(スタジオonda)にある2カ所のレンタルスタジオを利用してレッスンを行っていました。


大久保駅から徒歩3分にある「レンタルスタジオonda」。ヨガマットが10枚敷けるサイズで、室内は防音。

お客さんから予約が入るたびに、レンタルスタジオを予約し、時間になったら骨盤メイクの指導を行い、そのレッスン前後にスマホでマーケティング用のウェブコンテンツ動画を撮影するという感じでした。


ウェブコンテンツ動画(プロが教える骨盤セルフチェック

スタジオのレンタル代は、東京や神奈川だと相場は1時間2000円で、音響設備が豪華だったり、広さや防音、スタジオミラー、更衣室、撮影機材常備などの付加価値があると1時間3000円くらいになったりもします。逆に、スタジオミラーがなく、マンツーマンレッスンほどのサイズだと1時間1500円くらいのところもありました。

私はいつも2時間×週3回の月24時間ほど利用していたので、月5万円弱がスタジオレンタル代の経費としてかかっていました。

レンタル代として1カ月に支払える金額は、4~5万円が限界だったので、自分のスタジオを開業するなんて夢のまた夢。家賃や光熱費やらで毎月倍以上かかったり、敷金等の初期費用で何百万もかかったりするなんて、怖くて手が出せません。

売り上げを計算すると…

それでも山田さんはしきりに私にレンタルルームの運営を勧めてきました。なので、仮に自分のスタジオを持ち、自ら使用しながら、「私の使用しない時間をレンタルスタジオとして運営したらいくら売り上がるか」という計算をしてみたのです。

朝9時から夜の9時までをレンタル営業時間とすると、月に360時間になります。そのうち、私が使用する時間を多めに40時間と見積もっても、残りの320時間は人に貸せるという想定をしました。

仮に1時間を相場の2000円で貸したとすると、レンタル予約が100%埋まればレンタル事業だけで64万円もの売り上げになります。60%だと38万4000円。40%では25万6000円、20%で12万8000円、10%でも6万4000円。

ちなみに時間を計算してみると、60%稼働だと毎日6時間、40%稼働では毎日4時間、20%稼働は毎日2時間、10%稼働は毎日1時間の利用者がいるイメージです。

それと、売り上げを計算するには、単発予約と定期レンタルの2つの予約システムがあるということも考えておかなくてはなりません。単発予約はその名の通り、都度レンタルスタジオを借りることです。一方、定期レンタルは希望の曜日の希望時間を毎週借りる、というものです。

例えば、もし定期レンタルで毎週固定クラスを開催する人が4人いれば、その時点でレンタル稼働率10%(売り上げ6万4000円)は確定。それに加えて、単発利用者が週4回ほど入れば、20%稼働(売り上げ12万8000円)ということでした。

店舗家賃をレンタル事業でまかなえるか

売り上げを実際に計算していくうちに、家賃が10~13万円の店舗であれば、「稼働20%を目指せば、家賃がまかなえてしまうかもしれない!」という期待が湧きました。

自分の使いたい時間は自分のスタジオなので好きに使用できるし、レッスン以外にもYouTubeやSNS集客用の動画撮影も気軽にできる、看板も出せる、インストラクターとして箔もつく。

とはいえ、正直なところ、「毎月の家賃という固定費」を重く感じていた私は、山田さんにふんわりと断るような形で、「もしも家賃が安くて、駅から近くて、10枚くらいヨガマットが敷けて、窓が2カ所以上あって換気がしやすく、ヨガスタジオっぽい綺麗で素敵な物件があったら教えてくださいね」と、少々無理難題をふっかけて、その日のお茶は終了しました。

ところがその数週間後、まさかの物件登場にて、事態は急展開を迎えます。

~第2話に続く~

(ヨガインストラクター 山口紘実)

このエントリーをはてなブックマークに追加
ページトップへ戻る