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COLUMN

コラム

2018.08.09

税務

大家専門税理士の人生逆転物語

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「諦めたら試合終了」借金500万円からの復活劇

「父が入院していたとき実家へ借金の取り立てが来たことが、のちに大家になろうと決意するきっかけとなりました」と語るのは大家でありながら、税理士・司法書士としても活動する39歳の渡邊浩滋さんだ。

現在、渡邊さんが所有する5棟86室の賃貸アパートは、2008年に父親から引き継いだものだ。承継前、その物件は専業大家だった父が所有、管理をしていた。ところが、家賃収入を湯水のごとく使っていたばかりか、女性問題を抱えて母親に迷惑をかけていたという。

家族が事実を認識した時は、貯金も底をつき固定資産税も払えないどん底に追い込まれていた。加えてあちこちから工面してきた借金は 500万円に膨らんでいた。渡邊さんは自宅裏の土地の売却を決め、借金の返済と税金の支払いなどに充てたという。

蓄えゼロから1400万円のプラス収支へ

両親の目もあてられない状況を目の当たりにし、勤務していた商社を退職。大家専門の税理士となることを決意した。猛勉強の末、税理士資格を取得し、税理士事務所に勤めるかたわら大家業を引き継ぐことを決めた。ところが、引き継いだ賃貸アパート86室は10 室以上が空室という状態からのスタートだった。

まずは、管理会社を変えたり、リフォームを施したり入居率の改善に励んだ。そして初年度は新しい管理会社に委託しつつも任せきりにせず、時間が合えば自分で物件を案内して、入居者と積極的に関わるようにした。常に「諦めたら試合終了」と自分に言い聞かせ改革を続けた結果、1年後には入居率が97%を超え、収支は1,400万円の手残りが残るほどの良好な経営状態にまで回復した。

入居者との交流が入居率の安定につながる

現在、渡邊さんは自身の大家業での経験を生かし、賃貸経営のコンサルティングやセミナー講師、大家向けの書籍出版など幅広く活動している。そして、賃貸経営は両親に協力を仰ぎながら行っている。

大家業を続ける過程で、昔と大きく変わったことがあるという。それは両親が定期的に物件を見回り、ごみ置き場の清掃などを行うことで、入居者と気軽に挨拶し合える仲になったことだという。

「母は趣味のガーデニングでアパートを飾るなど、楽しみながら賃貸経営を行っています。また、女性専用のアパートでは入居時に母が立ち合い、連絡先を交換して、何かあったらすぐ連絡してもらいやすいようにしています。そのため、大家さんと距離が近いという安心感から好評を得て、入居率も安定してきました」(渡邊さん)

「大家さんをサポートする 税理士を増やしたい」

大家専業の税理士はまだまだ少ないのが現状だ。そのため、賃貸経営が絡んでくると適切なアドバイスができない税理士も多い。そして地方へ行くと、さらに賃貸経営に精通する税理士を探すことは難しくなるという。

「各都道府県にいる税理士さんに賃貸経営も交えたノウハウを提供できる FC 展開の仕組みを考えています。私一人で全ての大家さんを助けることは不可能ですが、しっかりとサポートできる税理士を増やすことで全国で困っている大家さんを救うことができたらいいと思います」と渡邊さんは今後の展望を語った。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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