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COLUMN

コラム

2018.07.19

インタビュー

シングルマザーによるシングルマザーのためのシェアハウス

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自立のための卒業制度

シングルマザーによるシングルマザーのためのシェアハウスがある。2017年1月にオープンしたシングルマザー自立支援シェアハウス「パークリンク米野Ⅰ・Ⅱ」(愛知県名古屋市)だ。

同ハウスは、一風変わったシステムで運営されている。大きな特徴は、シングルマザーが仕事をしながらであっても、子どもと過ごす時間を確保できるよう、業者による宅食サービスや清掃、就業支援がセットになっていることだ。また、通常のシェアハウスとは異なり、自立支援を最終目的としているため、仕事を見つけて経済的に安定する約1年後を目標に“卒業”するシステムになっている。

初月は家賃が無料で、礼金・敷金・仲介手数料も0円という驚きの設定。日々のやりくりに四苦八苦しているシングルマザーにとっては大助かりだ。2カ月目からは家賃は5万6,500円(光熱費・宅食を含む生活支援サービス等含む)

2年目以降も住むことは可能だが、家賃は8万5,000円へとアップする。こういった家賃設定からも“支援”が目的とされていることがわかる。低家賃を実現するのは、賛同者たちの支援だ。毎月継続で寄付を行うマンスリーサポーターは、月額1,000円から、法人は一口12万円から受け付けており、これらの支援金で支えられている。
支援企業は、カレーハウスCoCo壱番屋の創業者が創設したNPO法人イエロー・エンジェルや、リサイクルショップを運営する株式会社買取王国などを始めとした35社が支援を行っている。

きっかけは自身の経験から

同ハウスを企画・運営するのは、シングルマザーへ向けた支援サービスを提供する株式会社リンクリンク(愛知県名古屋市)代表取締役社長の大津たまみさんだ。自身、息子が9歳の時にシングルマザーになったという経験を持つ。同じような思いをしてほしくないという思いがハウスを作ったきっかけだ。

「離婚後は、ひとりで子供を育てながらアルバイトをしていたので、息子と一緒に過ごす時間がありませんでした。息子にしてあげられなかったことを、このハウスで実現しているんです。例えば、掃除や宅食をセットで提供することで、母親が少しでも子どもとの時間を増やせるような工夫をしています」

離婚後は食費を切りつめるほど経済的・精神的に苦しい時もあったというが、明るさだけは失わなかった。「納豆しか食べられなくても、息子には『納豆豪華ごはん』と言っていました」と、どんな状況でも前向きになるよう心掛けていたそうだ。

家族との時間を大切に

起業し、社長となった現在は休日も関係なく働く。「当時は小学生だった息子も今や22歳。子供の頃から状況を理解して食事の支度や掃除をしてくれました」といい、息子の協力なしでは子育てと仕事の両立はできなかったと目を細めながら振り返る。今も家族と過ごす時間だけは大切にしているという。

近年は一人っ子が増えているが、ハウスに帰れば、同世代の子どもやその母親と交流できる。今まであまり笑わなかったのに、ハウスに引っ越してから笑うようになった子もいるそうだ。

どこへ行くにもトレードマークの赤いバンダナとエプロンを身につけている大津さんは、FC展開で全国に100棟の「パークリンク」を作ることが今後の目標だと、笑顔で語った。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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