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COLUMN

コラム

2018.09.20

♯シェアリングエコノミー

空きスペースがお金を生む!!空間シェアリング最前線

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物件に合った貸し方ができる

「空間シェア」と一口でいっても、宿泊施設として貸すのか、それとも時間貸しなのかによって貸し方、使い方が変わってくる。AirbnbやHome awayなど宿泊に特化した仲介サイトがある一方で、スペイシーやスペースマーケットなど時間貸し専門の仲介サイトもある。サイトを使い分けすることで、自分の物件の貸し方を変えることができる時代がやって来た。

 

株式会社スペイシー(東京都中央区)が、今年7月から法人向けに提供を始めた「テレワーク応援パック」は、そんな社会背景に対応したサービスだ。スペイシーには、主にオフィスの空きスペースが登録され、貸し会議室やワークスペースといったビジネス目的で使われている。2013年の設立以来、累計200万人以上にビジネスに特化した空間を提供してきた。

そんなスぺイシーが、今年7月から開始したのが法人向けの「テレワーク応援パック」だ。厚生省が働き方改革の一環として推奨しているリモートワークを導入する企業が増えてきたことを受け、考案された。

最大の特徴は、会社単位で一括清算ができるため、従業員の立替・清算処理をラクにしたことだ。株式会社スペイシー(東京都中央区)広報の林織奈さんによると、利用企業からは、「利用するたびではなく一括して請求書払いができるので手間が減った」と好評だという。また、リモートワーク時に課題となる勤怠管理をサポートするアプリ「スペイシータイムカード」が、オプションとして1名月100円で利用できる。これはアプリで、顔認証とGPS機能を用いて打刻を行うシステムで、社外にいても勤怠管理をすることができる。

利用企業は、サービス開始から約2カ月で100社に達した。利用料は1室1時間500円から、席単位の場合1時間100円から予約できる。林さんは「スペイシーには、電源やWi-Fi環境が整い、カフェや自宅よりも集中できる環境が揃っています」と、自宅でリモートワークする場合との違いを説明した。

今年3月にはダイニング&スポーツバーのフーターズと提携した。フーターズの営業時間外の店舗をスペイシーが借り上げ、13時~17時の間、店舗内の席をワークスペースとして利用できる。

「普段と違った環境で仕事をすることで、斬新なアイディアが生まれるなど、新しい発見が見つかる場にしたい」という思いからフーターズとの提携に至ったという。利用可能店舗は、銀座、渋谷、大阪の3店舗で、席代は30分50円だ。なんと学生であれば席代は無料だという。さらに利用者は、280~400円のドリンクを一律200円で注文できる。

仕事とプライベートの両方で使えるシェア空間

日常生活のあらゆるシーンで、利用できる空間を提供する仲介サイトもある。レンタルスペースを仲介するスペースマーケットには、球場からオフィスや自宅まであらゆる種類の空間が9000件以上掲載されている。同サイトを運営する株式会社スペースマーケット(東京都新宿区)デジタルマーケティング担当の堀田遼人さん(25)は、「映画館でセミナーや表彰式を開催したり、ゴルフ場でキャンプをしたりといった具合に、本来の施設の目的に縛られることなく自由な発想でご利用いただいています」と話す。

映画館は巨大スクリーンに音響設備が整い、セミナーや表彰式には最適だ。また、ゴルフ場はトイレや水道が近くにある上、大人数でも十分な広さがあることからキャンプにはもってこいだ。このように使用目的が限定されがちな場所でも、角度を変えれば様々な使い方ができる。 

一方で、貸し手側(以下、ホスト)が工夫を凝らすことで、ユニークな空間に仕立て上げる例もある。例えば室内を、桜やハロウィン、クリスマスのデコレーションなど季節ごとに飾りをつけ変え、パーティースペースとして貸し出し好評を博している物件がある。ホストがひと手間かけて空間をプロデュースすることで、魅力的な場所に生まれ変わるということだ。

スペースマーケットへの物件登録は無料で、ホストが貸し出し料金を自由に設定できる。サイト利用料は成約した時のみ発生し、手数料は時間貸しの場合利用料金の30%(税抜)だ。また、簡易宿所や民泊新法などに沿って登録された物件は民泊として登録でき、手数料は利用料金の10%(税抜)となっている。

同社広報担当の端山愛子さん(35)は「スペースマーケットに物件を登録することで、今まで使われていなかった空間を有効活用して収益を得ることができます」とアピールした。

デッドスペースでマルシェを開催

普段は“通り道”となっている場所ですら有効活用する事例がある。株式会GYOSHO代表取締役社長の荒竹俊さん(37)は、マンションの敷地にある空きスペースや、オフィス周辺のデッドスペースを活用したマルシェをプロデュースしている。

江東区のとあるマンション敷地内で開かれたマルシェでは、野菜や果物を始めとする生鮮食品がずらりと並ぶ。どれも周辺のスーパーでは買えない品種や無農薬の商品だ。このマルシェでは、作り手が直接販売を行っており、買い物客と農家が直接つながることができる。

荒竹さんは「“ヘタの裏側がぼこぼこしているみかんは甘味が強い”といった目利きならではの豆知識を教えてもらえます。値段にばかり目が行きがちなスーパーとは異なる視点で買い物ができます」とマルシェの魅力を語る。

同社では、オフィスやマンション周辺の空きスペースを活用したイベントの企画や運営を行っている。お店の誘致・宣伝・集客・設営など細かい部分も同社が取り仕切る。出店者には、テントやテーブルのレンタルも行い、さらに人員が必要な出店者にはスタッフの手配をしている。 

この他にも、丸の内周辺のオフィス街では、飲食店の混雑でお昼を取りそこねたランチ難民のために、キッチンカーのマルシェを開くなど、様々な取り組みを行っている。2015年8月以来、370回以上開催してきた。現在は9割以上のマルシェがオフィス街などで開催されているが、今後は住宅エリアでの開催もさらに増やしていきたいという。

個人の自宅やオフィスの一角を持て余している人は意外と多く、スペースマーケットやスぺイシーを通して空間を貸す人は年々増えている。また、GYOSHOの事例からは、一見すると活用法がないような共有部でも、マルシェとして誰もが利用できる空間に変えられることがわかる。スペースシェアリングの市場規模は、内閣府によると1400億円~1800億円ともいわれており、すでにあるものを有効活用することで収益を得られるビジネスモデルは、今後さらに市場が拡大していくだろう。

(Hello News編集部 須藤恵弥子)

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