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2018.12.27

♯編集部でやってみた

赤字続きのレンタルスペース運営体験記

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「はろ〜ず」の始まり

JR関内駅徒歩10分、京急線日ノ出町駅徒歩5分の横浜市中区若葉町に、かなり年季の入った5階建てのビルが立っている。ここに、ハローニュース編集部が管理運営するレンタルスペース「はろ〜ず」がある。

ハローニュースで働き始めて数日経った7月某日、私、ささき三枝は社長に呼び出された。

社長 「あのさ、任せたい仕事があるんだけど」
私「はい、ありがとうございます」
社長 「とりあえず日ノ出町に行って。行ったらわかるから」
私「えっ!?それどこ?!」(心の声)

入社早々、自宅のある埼玉から横浜の関内に、西武線とJR、それに京急線を乗り換えて片道2時間かけ通う日々が始まった。

どうやら、社長の思いつきで、民泊をやろうと思って借りた部屋が日ノ出町にあり、気合いを入れてイケアのホームステージング担当に相談しておしゃれなインテリアを設置したりしたまでは良かったが、かれこれ半年以上ほったらかしになっているという驚愕の事実が判明。

「いざ、始めようとしたら、オーナーに宿泊はダメって言われてしまってさあ〜。参ったよ」

と、ドヤ顔で説明されたが、私としては、

「そこ確認してなかったんかーーーーーーーーい!!」と、激しくツッコミを入れたい気持ちだった。とはいえそこはまず置いといて、とにかく現場に向かうことにした。

いざ、未知なる場所へ

平日の昼間にしては、わりと人通りも多い。

薬局、本屋さん、寿司屋、お蕎麦屋、衣料品店、マッサージサロンととにかく左右びっしりと店舗が軒を連ね、最近あまりにお目にかかれてなかった元気な商店街がそこにはあった。

「すごい活気がある!ここなら何かするにはいい街なんじゃないかな」

いつしか私の胸は、期待で高鳴り始めていた。

だが、次の瞬間。。。

「こ、ここは……」

一本横道に入ると、突如として異国情緒たっぷりな、というかほとんど外国にきたような雰囲気に一転。ハラハラするような文言の入った看板や、ちょっとアダルティな怪しげな店舗、ホテルが目立つようになってきた。

「ここ、日本だよね??」

なんとも言えない雰囲気の通りを足早に抜け、とにかく私は現場に向かった。

そして到着。

そこにあったのは、さらに怪しいマッサージ店の看板だった。

これだー!!!!!!!!!!

「かなり年季入ってるなあ・・・」

怪しさマックスな入り口とお店。私は、高揚する気持ちを抑えつつ、4階へと進んだ。

するとそこには、ビルの外見からは想像できない立派な玄関扉があった。期待度がちょっと挽回したところで、いざ中へ。

まずは、リサーチ開始だ!

驚いたーーーーーーーー!!!!!!!

めちゃくちゃお洒落な世界が広がってるーーーーーーーー!!!!!!

私はギャップにやられた。そして一気にテンションが上がった。

壁紙は、株式会社レオハウス リノベーション事業部の牧野祥枝さんが選び施工したもので、それに合わせてイケアがインテリアプランを作ったという。

〈見事な変貌を遂げる前の「はろ〜ず」〉

こんなに素敵な変貌を遂げたのだから、この事業を成功に導かなければという思いが湧き上がってきた。

「民泊がダメでも時間貸しでスタジオとして貸すことはできる!このクオリティならきっと借り手はつくはずだ!しかし、どう運営していくかが課題だな」

関内という場所も初めて訪れたくらいだから、当然、ここがどのような場所かというのが、全くわからない。

ということで、まずは、リサーチからだ!

私の脳みそをフル回転させて、フェイスブックの友達検索で、関内に住んでる人、または関内エリアでお仕事してる人、を探してみた。そうすると、意外といらっしゃるもので、中には「週8関内で飲んでますよ」なんてツワモノも出てきた(笑)

そして、リサーチの結果、まず最初に上がってきたキーワードは

「横浜ベイスターズ」

関内駅には、横浜スタジアムがあり、関内という街はベイスターズと密着して存在している。例えば、横浜ベイスターズの試合があるとき、関内エリアの居酒屋などは、割引サービスを提供したり、また、球場に行けなかった人たちが、飲食店で試合を見るのが定番となっているそうだ。

ヒアリングしていくうちにこんなことを言われた。

「このスペースで、ベイスターズ観戦会ができたら、キッチンもあるし、個室スペースだし、需要あると思いますよ!」

まだ売り上げもなく、赤字続きの状況で、非常に頼みづらかったのだが、、、
社長を説得し、私はプロジェクターを購入した!しかも、ハイ高画質ホームシアタープロジェクターだ(約12万3700円)。

具体的に動き出した結果

そして早速、私の友達の後輩で、毎週末、横浜スタジアムにベイスターズ観戦に行っているような、筋金入りのベイスターズファンの方に声をかけ、週末の昼間、10名くらいに集まってもらった。これが、記念すべき第一回目の「横浜ベイスターズ観戦会」となった。

結果、大盛り上がりで大成功!!みなさん、音も気にしなくていいし、騒いでもいいし、とても気に入ってくれた様子で一安心した。

今回は、まずは知ってもらおうと宣伝を兼ねたイベントだったため売り上げはなし。しかし、こういうふうにして企画というのは行っていくものなんだと学び、私自身、やる気が高まっていった。

しかーし、そう簡単に予約は続かず。。。

「キッチンがあるんだから、食器とかグラスとかお鍋とか揃えて欲しい!」と、見学に来た人は勝手なことをいう。

もちろんそのつもりではあったんだけど、なんせ、売り上げがないもので、伸ばし伸ばしにしていたのだが、そうは言ってられないとなり、いざ、レンタカーを借りて、社長とイケアへ。

限られた時間内に、あの広大な売り場でたくさんの商品の中から選んで購入するのは大変だと思っていたので、事前にホームページでチェックしておいた。

丈夫で、使いやすそうな物を、あらかじめ目星はつけておいたところ、合計で3万円くらいに収まった。

一通りのものが揃ったところで、今度は私のアナログ営業の開始だ。

関内で活動している方に、イベント企画を手伝ってもらったり、フェイスブックの友達検索で、よくイベントを主催してる方に、無料で宣伝して欲しいとお願いしたり、また、横浜近辺の朝活に出席して宣伝させてもらって意見も聞いてみたり(横浜駅に朝6時半着なので、埼玉を始発で出発してギリギリ。。。)

他のレンタルスペースと差別化するために、何かないかなと考えていた矢先、フェイスブックで「ピアノ譲ります」という、友達のタイムラインを見つけた。早速コンタクトを取り譲ってもらうことに。これで、音楽のイベントもできるぞ!

そしてその結果!

会社のプレゼン会議や、少人数の映画上映会などの予約が入り始めた!!

さらに、冷蔵庫や電子レンジが完備されると

日本酒の会や寿司パーティー、ワイン会など、様々なイベントが入るようになってきた。

自らプロデュースイベントを発信

また、他者に貸し出すだけではなく、ハローニュースでも、「はろ〜ず」を利用した自主企画を提案。第一弾としてDIYイベントを実施した。初めての壁紙張りも、なんとか無事に成功!

続く第二弾として、「ビジネスフォト撮影会」も企画。「ビジネスフォト」とは、経営者やビジネスマン、アーティストが使用する宣材写真のこと。事前に、どのような写真を撮りたいかなどみなさんからじっくり聞き取りをした上での撮影はとても好評で、今後も続けていきたいイベントの一つとなった。男性陣の方もヘアメイクしていただいて、みんさん、テンションマックス!

実際にやってみてわかったこと

今、話題のシェアビジネスだが、実際にやってみて大変なことがたくさんあった。

その中でも、時間貸し1時間あたりの金額設定を決めるのに、時間がかかった。

関内にある他のレンタルスペースの相場を調べる作業のほか、実際興味を持ってくれた方にも色々意見を聞いた。しかしそれぞれの方で感覚が全く違うため、すぐに金額を決定できず、お試し価格を設定して、徐々に決めていった。

また、「はろ〜ず」を知ってもらうという作業も、大変だった。オーナーさんとの取り決めで、まずは知り合いの方から声をかけて欲しいという条件があったため、スペースマーケットのような募集サイトに載せられない。なので、余計に困難を極めた。

興味のありそうな方に1人ずつ連絡をし、まず見学にきていただく。そこで意見をもらってお試し価格で使っていただき、それをSNSなどで宣伝してもらう。この作業を続けた。

その他に重要なのは、「どんな街でレンタルスペース運営をするか」ということだ。

関内では、2020年の東京オリンピックの会場の一つに、横浜スタジアムが決まっていることや、ラグビーワールドカップ2019日本大会の場所が、横浜国際競技場(日産スタジアム)であることなどから、街自体に活気が溢れ、人口が増えることが予想されていてシェアスペースの利用が増えることが見込まれていた。場所が関内だったことはラッキーだったと言える。

運営に関しても、試行錯誤の連続だった。例えば、鍵の受け渡しや、ゴミの処理、キャンセルの問題など、まだまだ課題は山盛りだ。

今後は

・レッスン教室や料理教室(ホワイトボード完備)
・ロケ撮影の場所
・主婦のかたのママ友会(お子様づれもOK)
・音楽イベント(電子ピアノあり)
・バーベキュー大会(10畳ほどの中庭)

など、幅広く使っていただけるように、宣伝活動を続けて行きたい。

「はろ〜ずでイベントやりたい!!」
「こういうことやりたいんだけど、はろ〜ずで可能かな?!」
「知り合いが、こういうこと企画してるけど、紹介しようか?」

などの声がたくさん出てくるように、引き続き頑張るぞ!

期待が膨らむばかりだ!!!

ご期待ください!!

(Hello News編集部 ささき三枝)

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