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COLUMN

コラム

2018.11.22

不動産会社向け

これから家賃債務保証業界で起こるかもしれない7つのこと(後編)

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前編では、7つのテーマのうち、次の4つについて話した。

1.中国並みの個人信用チェック時代が到来するかも?
2.本当に凄まじい高齢化社会はこれから
3.新しい住宅確保要配慮者たちが出てきている
4.シェアリングビジネスの台頭によって、CtoCの保証が始まるか?!

後編では、残りの3つと、保証会社だからできる未来の予測について、前編と同様、当日話した内容を紹介する。

5.不動産テック時代が本当にやってきたら?

私が前職の全国賃貸住宅新聞に入社した15年前、仲介のトレンドは、「多店舗展開」の一言に尽きました。とにかく店舗数をいかに増やすか、カバーエリアを増やすかにどこの仲介会社も躍起になっていたのを思い出します。

ところが今は、店舗数が多いことはそれほど重要ではなくなりつつあります。リクルートが9月に発表した「賃貸契約者動向調査 (首都圏)」によると、不動産会社の訪問店舗数は、平均1.6店舗。2005年度の2.7店舗と比較すると1店鋪減少しています。手軽に部屋探しができるようになっているのと同時にVRや写真、動画など、住宅情報がより鮮明に得られるため、訪問数が減少したことが考えられます。

今もこの時間、フォーラム会場内で様々な講演が開催されていますが、今回24の講座のうち、なんと12講座が「不動産テック」に関することだとお気付きでしょうか。入居の場面も管理の方法も入居者とのコミュニケーションの取り方も、不動産業の現場の実務がガラリと変わっていくとき、保証会社としてどんな手を打てばいいのでしょうか。

実際、薬も株も旅行も新幹線のチケットもネットで皆さん買います。ほんのすこし前まで、みどりの窓口に並んでいたのが嘘のようです。

例えばメルカリは、売りたい人が掲載し、欲しい人がそれを見て買います。不動産もそうやって貸したいオーナーさんが載せて、借りたりする人が見る時代がくるかもしれません。オーナーが直付けする時代です。今は、大家さんというと多くが70代以上をイメージしますが、これから先は、今50代、40代、30代の人が大家さんになっていきます。みんなパソコン使いこなす人たちです。

そういうオーナーさんの直付けが増えた時、オーナーに選ばれる保証会社とはどういう保証会社なのでしょうか?

もしかしたらFPの資格や税金のことにも詳しい知識を持って、オーナーと対峙できる人たちが必要になっていくかもしれません。それを考えていく必要があると思います。

最近は、様々なシステムを開発する際、PDCAと言わずに、DCAPというそうです。

まずやってみて、それをチェックして、行動して、最後にプランニングする。特に、未知の分野や、初めての挑戦、スタートアップの場合は、計画に時間をかけ過ぎることが致命的になったりします。ですから最初にDOがあって、それをフィードバックしていくことで正確性を高めるやり方の方が有効です。最初にプランがあると、中には常識や先入観にとらわれすぎて潰してしまう人もいますから、最近のシステム開発の潮流は、このDCAPに変わってきているそうです。

今後のこのスピードが増し、新しいシステムやサービスがどんどん出てくると言えます。もちろん多くの保証会社の皆さんがそういったシステム開発にはすでに着手されていらっしゃると思うのですが、そういったことも考えていかなければいけないのかなと思います。

6.家賃を仮想通貨で支払う時代が来たらどうなる?

そもそもですが、お給料を仮想通貨で支払う会社が出てきているそうです。

例えばGMO。母体となっているグループ会社の中に仮想通貨に関連する会社を持っているところはすでにはじめています。

キャッシュレス化は世界的な流れです。そのキャッシュレスの第一、一番大きいのがクレジットカード業界ですが、クレジットカードの業界もやはり、個人情報を提供しなければいけないということ、あとは、そのセキュリティーが国によってまちまちであるということがあります。

年間のカードの不正利用額は、全世界で1.5兆から2兆円あるとも言われているそうです。また磁気で読み取るタイプは先進国ではほとんどなくなっているそうですが、日本ではまだまだ結構見かけます。

そんな中で仮想通貨ですが、クレジットカードのように個人情報を提供する必要がなく、また送金手数料も少なくてすみます。あとは銀行に行かなくて済むとか、15時までにいかないといけない、土日は入金できないという制限もありません。

実際、シンガポールでは、一流企業が入るようなオフィス街で家賃をイーサリアムとかビットコインとかビットコインキャッシュで支払うというのが始まっているそうです。

今の日本において、一番大きなインパクトはオリンピック。そこまでにキャッシュレスを広めないといけない。今、大体日本だと現金以外の買い物が18%で、80%は現金です。これが韓国に行くと、90%がキャッシュレスです。お隣の韓国、中国から、オリンピックの時にはたくさんお客さんが来るでしょう。彼らは大金や高額紙幣を持ち歩くなんてことはしませんから、そうすると、キャッシュレスで買い物ができるような環境をつくっておかなくてはいけない。それはLINE Pay、WeChat Payしかり。日本としてもそういった決済方法に対応していかないといけない。みんなが慣れていかなきゃいけない。そうすると、来年秋くらいには法律の改正含め、一気に仮想通貨が普及すると言われています。

中国は固定電話の時代を飛び超えて一気に携帯電話の時代になりました。また小売の実店舗が発展する前にEコマースが発達しました。

金融の分野もそうで、日本は全国津々浦々に銀行やATMがありどこでも現金を出せる環境があったからなかなかキャッシュレスに切り替わらなかった。しかし、東南アジや砂漠地帯、アフリカの山の中にはそんなのないから、手のひらにすでにあるスマホさえあれば決済できる仕組みがあっという間に広がりました。このように遅れて発展する社会や国家が、先進国が経験した段階を飛び越えて一気に発展することを「リープフロッグ」というそうですが、それがまさにこのキャッシュレスの世界なのかなと思います。

7.外国人の就労者が増えたら?

コンビニ、ファーストフード、建築現場、もはや私たちの生活は外国人労働者の手を借りずに成り立たないほどになっています。

注目して欲しいのは、この年齢です。日本に来る外国人の平均年齢は25〜29歳。すごく若い層が日本に来ています。そういう人たちはこちらで結婚し、家族を設ける可能性が高いです。彼らを受け入れる住宅づくりをすることは、業界にとってチャンスと捉えることもできます。そしてその労働力が自分たちの便利な暮らしと直結していることも、やはり考えていかねばならないのかなと思います。

先日、あるインド人のSEと話していたとき、「どこに住んでいるの?」と聞いたら「品川で賃貸に住んでいる」と答えました。「家賃は?」と聞くと「35万円」。われわれ日本人よりよっぽど属性がいいなと思いました。

保証会社だからできる未来を予測する

①ビッグデータの大本になれる!

これから世界で起こる第4次産業革命の主役、AIの発展を左右するのはビッグデータと言われています。

データというもの自体が全ての価値を決める、個人情報もそうですし、暗号通貨のデータもそうですし、いわゆるライフログと呼ばれる自分がどこにいるのかはGPSでわかるし、IoTを使えば、何時から何時に誰が冷蔵庫を開けているのかも分かりますし、ランチに何を注文したかもわかる。こういったデータが全て価値に変わると言われています。

「数を集めたもん勝ち」。それをまさにやってきたのがGAFAで、GoogleとかAppleとかFacebookとかAmazonですか、このGAFAはとにかく数を集めることをやったと言われています。

そう考えると、実は保証会社はものすごいビッグデータを持っています。入居者情報はもちろん、年収や給料の支払日、勤め先や家族構成、また建物情報やオーナー情報も。加えて退去日情報も持っています。これは結構すごい情報だと思います。

管理戸数が1万戸の管理会社であれば建物情報も入居者情報も1万件ですが、保証会社の場合、多いところでは100万件を超えるでしょう。それをどう活かせるか、各社にかかっていると思います。

②繋がることが大事

少額短期保険会社というのがあります。

元々は「無認可共済」と言われていて、とにかくイメージが悪かったです。それを変えたのは、「日本少額短期保険協会」という、まさしく業界団体でした。

2007年に保険業法が改正され、少額短期保険業界が誕生した時の協会会長は、ぜんち共済の榎本重秋社長という方でした。私はこの度、この榎本社長にも会いに行き、当時のことを聞く機会を得ました。

実は榎本さんは会長としてとにかく「広報活動」に力を入れていました。

私がいた全国賃貸住宅新聞にも積極的に情報を発信してくれ、「少額短期だからできること」「大手生損保との違いなど」をとにかく熱心に語ってくれました。

結果的に、当時賃貸新聞は彼を「ミスター共済」と名付け、シリーズで少短業界のことを特集しました。

まさに協会を中心に業界一丸となって「社会における必要性」を訴えていた時期だったと思います。

そんな榎本さんの活動が功を奏して、2012年の1月には、BSの経済番組で1時間の「少短特集」が組まれました。今回の取材で榎本さんは、この報道が一つのきっかけになって一気に少額短期保険の魅力が世間に知れ渡るようになり、契約者の飛躍的な増加、そしてこの業界で働きたいと思う人の増加につながったと言われていました。

今、保証業界の皆さんはどうでしょう。

横のつながりはありますでしょうか。

業界が一丸となっている感覚はありますでしょうか。

かつて、「サラ金」という言葉がありましたが、これを「消費者金融」に変えさせたのが、日本貸金業協会だったと聞きました。例えば、ドラマのワンシーンで柄の悪い人が来たら大体昔はサラ金だったそうです。それをテレビ局にクレームを入れて、そういうのは違う、消費者金融はインフラなんだっていうのをちゃんと主張した。イメージアップを図って、ゴールデンタイムのコマーシャルとかもできるようにしていったのは、そういう先人たちの対応だったと聞いています。

少し前、『おくりびと』っていう映画がありました。納棺師のモックンが、亡くなった方に死に化粧をする。ちょっと話が違うかもしれないですけど、お葬式周りの仕事は、やっぱり若い子がなりたがらないし、すごく後ろ向きな仕事でしたが、『おくりびと』という言葉が生まれたことによって、イメージが良くなったそうです。もちろんモックンが演じたという功績も大きかったと思うんですけど、納棺師を目指す人が増えたそうです。

保証会社もそう考えると、違う言葉を作ってもいいかもしれません。

③顧客は誰か?

「顧客は誰か?」「保証会社は誰のために存在しているのか?」ということを考えなければならないと思います。

保証事業の場合、お金を支払っているのは入居者です。しかしながら保証会社の中には、管理会社を顧客と思う傾向が強いと思います。もちろん販売代理をしていただくという意味合いにおいてはお客様ですが、最終顧客はやはり入居者です。であれば入居者にとって喜ばれるサービスを提供していないとならないと感じています。

④連携モデル

毎日新聞の2017年8月29日の朝刊にあった内容をお伝えしたいと思います。

ひとつは、東京海上日動あんしん生命の医療保険に、「あるく保険」というものがあります。これは加入者が年間を通して1日平均8000歩を計測すると、その2年後の保険料が30歳男性で2400円ほど還付されるというものです。

次に、複数の保険会社が開発を進めている「テレマティックス自動車保険」。ドライバーの運転データが車内センサーを通して測定され、ブレーキを踏む回数やハンドルの切り方などから評価され、評価具合に応じて保険料が割引される保険です。

このように生損保各社は、シリコンバレーに精鋭を派遣して、日々研究しています。OMPOホールディングスの櫻田謙悟社長は「目指すのは従来の保険にとらわれない変革だ。将来、『昔は保険会社だった』と言われたい」と話すほど、フィンテックの研究に力を入れているようです。

こちらは保険業界の話ですが、保証業界も同じでフィンテックとかIoTとの連携は十分考えられる話だと思います。

(Hello News編集部)

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