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2019.05.09

♯二地域居住♯連載

【第2回】6つの“家”を持つ“現代版フーテンの寅”が伝授する「多地域居住ライフ」のススメ

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梅沢励

 日本に2つ、アメリカに4つ、合計6つの拠点を持ち、4台のマイカーを乗りこなして自由な移動を繰り返す“現代版フーテンの寅”こと、梅沢励さん。東京、千葉、マイアミ(フロリダ州)、オーランド(フロリダ州)、ジャクソンビル(フロリダ州)、アトランタ(ジョージア州)を行き来する「多地域居住」の暮らしは、今年で16年目に突入した。5年前、グリーンカード(永住権)を手に入れ、生涯アメリカ居住を宣言。オンラインアパレルショップで生計を立てながら、週末は、アメリカ国内の催事場で日本から運んだ飴玉やグミ、チョコレートを売りさばく自由な暮らしを楽しんでいる。

本連載は、アメリカ人とニッポン人、双方の感覚を併せ持つ寅さんこと励さんが、リアルで痛快な「多地域居住ライフ」を紹介する本邦初の手引書である。

移民に優しくないトランプ政権のもと、外国人として暮らすアメリカの暮らしとは?

そもそもアメリカは移民の国なので、私自身は外国人として暮らしている感覚はないです。

資格上は「永住権者」ですが、一般的には「アメリカ人」として見られていると思います。では、逆にどんな人がアメリカ人だと思いますか?

金髪碧眼(ブロンドの青い目)?

これがイメージするアメリカ人だとすれば、ちょっと偏っていますが、それが偏見の一歩カモ?

中国語を話している、アジア人に見える人がアメリカの道を歩いていても、僕はその人を「アメリカ人」と思います。

中国人だ!とは思いません。

ガソリンスタンドで、色の黒い、インド人風の人が働いているとしても、その人を僕は「アメリカ人」と思います。

僕の住む、マイアミは80%がキューバ人で、ほとんどの人がスペイン語を話します。その人たちのことを、僕はラテンからの移民のアメリカ人と思っています。

差別はあるかもしれません。そう感じるのは、グループに入れない時。でも気にしません。

バスや電車に乗るのは貧困層というイメージが一般的にはありますが、そこに入っていくと、自分の住む世界と違う人たちがいると感じます。それは偏った目で見ていることに間違いはありません。そこに含まれることは今後もないだろうと思います。

日本に帰らない理由は?

別にトランプの移民政策に特別に差別を感じることはないのと、トランプのように偏った意見を持っている人だけがアメリカ人ではないから。

アメリカという国は懐が深い。トランプが居てもいい、それを支持する人が居ても良い、反対する人が居ても良い、それでもなおアメリカに居ても良い。

そして、誰しもが「アイラブアメリカ」なんです。そういう僕も、こんなアメリカが好きで15年前に来ました。そしてその気持ちは今でも少しも変わらないので、帰る理由がない。

多地域居住はいつまで続ける?

生涯を通して、もっと多くの国に住みたいと思っています。

アメリカ、日本だけにとどまりません。ヨーロッパ、アジア、オセアニア、南米どこに住もうか?と常に悩んでいます。

アメリカは健康保険制度に不安があるので、保険制度の充実しているカナダに住むことも考えています。現在住んでいるフロリダはとても気に入っているので、フロリダから飛行機で2時間程度のカナダ、モントリオールやトロントには興味深々。永住権の取り方、不動産事情は少しずつ調べています。

マレーシアは永住権が取りやすいのと、英語が通じること、僕自身がアジア人で食文化も楽しめそう、比較的安全で、物価も低い、検討したい場所だと思っています。というよりも少し長めに行って、実際の生活感をいつでも味わってみたいと感じています。

つまり、多地域居住を生涯続けると思います。辞めることはないです。万一辞める場合、その時にもっとも住みやすいと感じる場所へ移動すると思います。生活スタイルに合わせてだと思います。定住という意識が低いカモしれませんね。

日本とアメリカを行き来する暮らしをするなら、絶対に気を付けた方がいいと思うことは?

正式なステータスを持つこと。旅行者として、動き回るのは不安定だと思います。

日本のパスポートがあれば、どこの国でもある程度の期間滞在できると思いますが、例えばアメリカには3ヶ月以内であれば、いつでも入国できる。1年の間に半年以上滞在していなければ、居住者ではありませんので、何度でもアメリカに入国できるというのが建前上のルールです。

ただ、アメリカ国家は正式な滞在権のない人が毎年6カ月近くもいるのは喜んではいないと思います。このように不安定な立場では、いつでもアメリカからの入国を断られることがありますので、気を付けなければイケナイ。

二地域居住をしていて、素晴らしいと思うことは?不安に思うことは?

両親が高齢になってきたので、毎月実家に帰れているというのは自分にとってとても幸せなことだと思っています。

不安なことは、飛行機に乗り過ぎていて、体への負担が多くないか?時差ぼけを何度も体験するので、体に対するストレスが大きいのではないか?と感じることです。

最も大きな不安は、こんなハードな(今は全くハードだとは思っていませんが)移動があと何年続けられるか?できなくなる前に止める方法を考えなければイケナイ。それと、緊急で家に戻れないことも不安です。

どうしたらアメリカに住むことができるの?

アメリカの市民権はまだ持っていません。グリーンカード(永住権)は持っています。今後アメリカ人への書き換えはタイミングをみて行うつもりで、アメリカ人になる予定です。そのほうが暮らしやすいと思っています。

永住権をとれば市民権への書き換えはさほど難しくないと思っています。

永住権を取る事の方が大変で。それには10年以上かかりました(一般的にそのくらいはかかると思います)。

学生VISAから投資家VISAへ変え、永住権の申請をして、獲得する。

学生→労働ピザ→永住権

これが僕の周りでみてきた一般的な方法のように思います。

(梅沢励)

第3回の「多地域居住ライフ」は、6月13日(木)にお届けする予定です。励さんによる日本の観光政策やアメリカの社会について感じたことなどの話を紹介していきます。

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